強迫性障害の全貌

強迫性障害の知識の普及 Link Free

精神障害の研究をして、主に重度強迫性障害の知識の普及活動をしています。

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強迫性障害とは 意味

一般的な説明では、過剰に清潔だったり心配したりする病気のように書かれていますが、それは重症患者であるほど、病院に行こうとしない(病院という場所が汚染や伝染などの強迫観念を引き起こす)ので、大きな病院で医学的に研究対象となっている患者には単純な症状の患者しかいないからです。

その軽症患者の中で、比較的症状が重い人を重症患者のように言うわけですが、病院に行けない(接触恐怖で看護や治療を拒む)、まともな患者になれないほんとうの重症患者が多くいるわけです。

残念ながら、多くの病院は、強迫性障害の患者が安心して行けるような空間に作られていません。

PTSDや強迫性障害には、テレビや新聞に近づけない(紙面やニュースなどの情報がトラウマや強迫観念を引き起こす)患者もいるのですが、待合室ではテレビ番組が垂れ流しされ、新聞雑誌が陳列されています。

高齢者にとっては情報の内容など何でも良いから、時間を潰せる物が置いてあれば良いのかもしれないし、PTSDや強迫性障害でなければ、マスメディアから悪い情報を見聞きしようが、それほど気にならない人が多いと思います。

PTSDや強迫性障害だと、そういう情報に拒絶反応が出たり、強迫性障害ではそういう情報で汚染されたりする人もいます。
そのような精神状態の患者にとって、情報を選ばずに番組を垂れ流しされている待合室にいる間は、拷問のような時間になります。

ですので、待合室はできるだけ世俗的な情報を少なくして、健康に関する情報や、美しい自然の景色などの癒し系の映像など、暴力性のない内容のみにして、患者が安心できる空間にするべきです。

それが難しくても、マスメディア情報を見ないという選択肢を与えるべきで、安心できる別の小さな空間を待合室として用意できるといいのですが、そういう配慮のできる病院はほとんどないと思います。

ですので、重症の人は病院をできるだけ避けるし、病院でもそういう症状の患者はほとんどいないので配慮しないという悪循環のようなことになっています。

もちろん病院に限ったことではなく、社会全体的に、精神障害者への配慮というのはほとんど行われないので、精神障害が重いと、社会適応はほとんどできなくなります。

電車の中に強迫性障害者が安心できる清潔な個室空間を作ってもらえますか?
難しいことです。

社会の中での生き方、通院の仕方、などなど、関わる人に相談して最善を探したり、いろいろと精神障害者側が自発的に工夫するしかありません。

このブログには強迫性障害とは何なのかを書いていきます。
強迫性障害自体は重症化するとほとんど不変なので、薬の話もほとんど書きませんが、治療することが無意味という事はありません。
むしろ生きていくために必須のことですので、服薬も通院も勧めています。
そうでなければ、完全孤立してしまう恐れがあるからです。

病院は命を守る場所であり、病気や障害がなかなか治らなくてもなんとかうまく生きられるように、福祉と連携しつつ人生をサポートしてくれる温かく優しい存在です。
重症患者の場合、まずは、患者になれることが大一歩で、最後の一歩でもあります。それをしっかりと続けながら、生き方を探すことが大事です。

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