強迫性障害の全貌

強迫性障害の知識の普及 Link Free

強迫症とうつ病

強迫症の人は、精神的にまともな面と、異常な面があり、その葛藤で苦しむ病気とも言えます。

異常な思いに従えば、その苦しみは減らせますが、狂人になります。

一般の人は、異常な思いが強迫観念として強まりませんので、それに従ってしまう心配はしないのですが、強迫症の人は、異常な思いが強迫観念となって、頭の中に残り続けてしまうので、その異常な思いの現実味が増し、それに従ってしまう可能性があるように思えます。

強迫症では、根本的に違和感や不快感などに弱くなっているので、その異常な思いの刺激が気になって、目の前の現実よりも、その思いに気が向かってしまいます。
悪い思いとか悪い記憶よりも、良い思いとか良い記憶は違和感や刺激が弱いので、あまり気にならないため、少し時間が経てば忘れてしまいます。
なので、頭の中が悪い思いとか悪い記憶で一杯になり、ネガティヴ思考になり、楽しい思いを浮かべたり、そういう体験をしようとすることが少なくなります。

ですから、強迫症の人は、多くの場合、うつ病の症状も出て、それが長年続きます。
うつ病が重なってしまうと、深刻な強迫観念になったり、妄想的になりやすいようです。

とっても興奮するような楽しい思いを浮かべたり、そういう体験を続けることで、強迫症は軽症化していく可能性はあるのですが、ネガティヴ思考なので、なかなか難しいのです。

刺激に弱いと、ひきこもったり、空想的になったり、静的に過ごしやすくなりますが、瞑想したり、何もしないというのは、強迫的なネガティヴ思考やトラウマ記憶を強めることにもなります。

強迫症状や鬱症状があると難しいことではありますが、心の中だけではなく、できるだけ体で体感できるような楽しいことをしたほうが良いのです。

強迫行為を我慢したり、強迫観念を放置しようとしたり、そういうことよりも、よろこびや、楽しみ、大きな愛を感じられる体験を繰り返し継続することが、強迫症の治療になります。

嫌な思いほど、触れたくないので、コントロールすることも難しいのですが、頭の中だけでどうこうしようとするのではなく、実際にポジティヴな体験を続けることで、ポジティヴ思考になり、強迫観念も浮かび難くなります。

そうは言っても、強迫症うつ病もそれができない病気ですから、楽しいことを普通にできるようにするまでが実に大変ではあります。

とりあえず、精神症状のこととか、退屈なこととか、つまらないことではなく、できるだけ好きなことに意識を向けるという選択をできるようにして、それを楽しめるように心がけるのが良さそうです。
そういう意味では、SSRI薬物療法を続けることも効果的だと思います。