強迫性障害の全貌

強迫性障害の知識の普及 Link Free

うつ病という名の強迫症

うつ病の強迫観念は、生きる苦しみ、未来の不安、いろんなネガティヴな思いが頭の中で一杯になって、それから逃れるために自殺、自殺未遂という強迫行為をしようとする。
その気力もない場合は、自殺願望、自殺念慮という頭の中での仮の強迫行為をしたり、ひきこもって、何もしない、寝ているだけ、そうして人生のストレスを回避しなければいけなくなり、そのことで悩むことになります。
強迫症と同じように、病気の症状ですから、うつ病になってしまうと、したくなくてもそうせざるを得ないのです。

強迫症が続くと、毎日がストレスの連続になり、うつ病と同じ状態になります。
うつ病はストレスが取れれば治しやすいのですが、強迫症が重なっているうつ病では、調子の波はありませんし、強迫症でのストレスが続く限り、うつ症状もほとんど治りませんから、何十年も憂鬱で元気の出ない状態が続くこともあります。

うつ病であると、気力が出なくて何もしたくないのですが、強迫症が重なっていると、したくなくても毎日強迫行為をしなければなりませんので、強迫症状の苦痛や億劫感が増倍します。
うつ症状が重度化しようと、汚染恐怖があると入院生活などはできませんし、汚染回避で他者に看病してもらうこともできません。

うつ病の苦しみは、多くの場合、現実と結び付いた悩みなので、環境を改善したいところですが、そういう前向きなことが億劫でできません。
生きることが辛いなら、自殺できたら楽になれますが、うつ症状が重いとそれも億劫なのです。
特に汚染恐怖があると日常的なことさえ困難になっているので、自殺する恐怖と自殺行為で汚れることの恐怖が重なって取りかかれない状態になり、希死念慮を持ちながら生きることになります。

うつ病状態の強迫症のまま生きて行くことは本当に大変です。薬を飲んで回復を待つことしかできなくても、それができるだけ良いのです。

みんながみんな、生まれたくて、生まれてきたわけではありませんから、生き方を着せられてはいけません。
強迫症が治らなければ、治らないままできることをするしかなく、当然、普通の人生ではなくなります。

強迫症は両価性の障害です。正常な精神と異常な精神の両方強くて、その衝突(葛藤)で苦しむ病気です。

妄想の両価性と違い、強迫症の両価性は現実と結び付いている思考ですから、薬で治すことは難しいです。

まともな面が自分の中の恐れや狂気に邪魔されて、能力をうまく発揮できなくなっているわけですから、まともな面と狂っている面をそのまま葛藤させながら、まともな面を磨き上げて、形だけでも社会に受け入れられるようにして、個性を発揮できるようにするしかありません。
何ができるかは、人それぞれの才能や持ち味にもよりますが、それができれば、強迫性障害もギフトに変わります。

内面の葛藤が強くても、強迫行為を抑えられなくても、それは仕方がないことです。
人前ではできるだけ穏やかに、表面だけはまともな面を見せればいいのです。
ただ、それもストレスになりますから、そういう人間関係は最小限にするしかありません。
とりあえず、それぐらいのことができれば充分ですが、希望は持ちたいです。