強迫性障害の全貌

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強迫観念とは?//強迫症の症状

神経過敏・・・刺激に対するバリアが弱い。不快であるほど刺激は強い。不快な思い自体からダメージを受ける。どうしても気になって頭(記憶)に残り続ける。それが起こり得る気がする。身の周りの不快な刺激が伝染する。過剰警戒心、ひきこもり。

強迫観念・・・考えたくも思いたくもない嫌な思い。
しばらく放置しようが、急いで消そうとしようが、そういう自分の思いに関係なく、嫌がらせのように思い浮かびます。
恐怖や嫌悪や不安などを感じることであれば、何でも嫌な思いにはなりえますが、一般的に恐怖や嫌悪や不安をほとんど感じない物事にもそういう反応が過剰に出るのが強迫症です。
強迫症の人には、一般的な感覚もあるので、自分で過剰であることが分かるのです。

神経過敏でない人、軽症の人、強迫観念の現実的な恐怖、嫌悪、不安感などが弱い人、現実と関係のない思い込みが強迫観念になっている人などは、ほとんど心の中(考え方など)の問題ですから、内面的な調整だけでも治しやすいタイプです。

重症の人ほど強迫観念の現実度(現実、現実にあった記憶との繋がり)も強く治療が困難になります。

強迫観念を消すための強迫行為は、一般的に考えて快楽の無い行為に限ります。
日常的でほとんど誰もが行っている行為であったり、一般的に考えてつまらない行為を過剰に行うので、不合理に思えるのです。
好きで繰り返し続けてきたことを止められなくなってしまうのが、依存症です。
それを止めればもちろん不安や不快感などがあるかもしれませんが、その行為が一般的に考えて快楽や娯楽性が強く、好きな人だけが行うことであれば、強迫症とは言いません。
強迫症の人でも強迫行為依存症的な人は含まれるし、依存症の人にも強迫症傾向の人は多いかもしれませんが、上記のような線引きがあります。

過失恐怖、損失恐怖、欠如恐怖・・・自覚としてはない人も多いのですが、ほとんどの強迫症の人にはこれがあります。
これがあると、不注意で間違えたり、失ったりすること自体にも衝撃があるのですが、そうなってしまうことで起こりえる不安なイメージが強迫観念として浮かびます。
なぜADHDの人は強迫症になりやすいか?
実際にそうなった嫌な記憶が多いので、過剰に心配してしまうのです。

過失恐怖に対するよくある強迫行為が、繰り返し確認です。
他には、慎重になり過ぎて行為緩慢になったり、ため込み症(強迫的ホーディング)なども、それが関係している場合が多いです。
なんだか同じことを繰り返してしまうという、一見、強迫観念がなさそうな人にも「正しく行えなかった」という思いで、やり直しをしていることがあります。

繰り返し確認は不完全恐怖だと言われてきましたが、完全を求めるのは、完璧主義の人とか、パーソナリティー障害の人とか、超人思考や誇大妄想(悟りを得て聖人君子になったつもりの人とか)に多いのです。
禅や仏教思想を持ち込んだ宗教療法(森田療法など)もそうですが、超人的な完全強迫に患者を巻き込んでも治療は困難です。普通の人よりもセルフコントロールが難しい精神状態なのですから。
強迫症の人は、むしろ人よりも劣っているとか、能力がないことを自覚している人が多く、強迫行為はあくまで強迫観念を一時的に消すためにあります。
劣等恐怖があり、人よりも優位であろうとする人も多いのですが、それは一般の人も同じことであり、完全を求めるわけではありません。

連想恐怖、関連付き恐怖・・・「良い」に「悪い」が結び付くことを恐れます。実際に連想強迫、関連付き強迫があるからそうなってしまうのですが、「良い」と「悪い」の分裂傾向が強いと、境界例や境界性パーソナリティー障害の症状とも言えます。
汚染恐怖があれば、「きれい」と「汚い」なども徹底的に分けることになり、洗浄強迫や回避が重症になり、部屋の掃除や生理整頓などもスムーズにできなくなります。
関係ないことが関連付くという意味では、関係妄想でもありますが、強迫症の範囲では、関係強迫と言ったほうが良さそうです。

汚染恐怖、不潔恐怖、感染恐怖、感化恐怖、病院恐怖・・・これらは洗浄強迫に繋がり、予期不安から回避や汚染対策も多くなります。
汚染恐怖というのは、「きれい」が汚されてしまう恐怖なのですが、不潔恐怖よりも広範囲で未来的な強迫観念が浮かぶことになります。
必ずしも病気になりそうという強迫観念が浮かびやすいのではなく、汚れること、不潔なこと自体への不快感や嫌悪感が強くあります。
病院や役所など、汚い(と思ってしまう)建物に近付けない人もいます。
重症であるとほとんど社会適応できなくなります。

汚れが精神的なこと(けがれ)までに及ぶ場合は、不正、邪悪、不道徳、残酷なこと、そういう情報を見聞きするだけでも汚れてしまうので、テレビや雑誌なども避けるようになります。
見聞きできない文字や言葉なども多くなり、他人の会話(世間話)なども汚染が怖くて避けるようになります。
汚れはしないが、恐怖情報を過剰に避ける症状は、恐怖強迫などと言います。

トラウマ体験に汚い、汚された、という思いがあると、汚染恐怖が結び付いて、トラウマ関連の物事で汚染されることを避け、生活範囲が限定されます。

こういった症状の俗称が潔癖症ですが、重症の潔癖症で引き篭もりになり、病院恐怖で通院できないということもありますから、潔癖症だから軽いとは限りません。


治療方法・・・セロトニンを増やしつつ、抗コリン作用で認知力、記憶力をやや低下させるというのが、SSRI(強迫症適応薬)による治療です。

セロトニンが多くても強迫性障害になったり、セロトニンが少ない人でも強迫性障害にならない人も多くいますから、強迫性障害特有の発症原因はみつかっていないのが現状です。

強迫症が発症して何年かするとほとんどの人は、うつ病にもなりますが、強迫性障害の診断基準には、抑うつなどは含まれませんから、治験やよくある行動療法などの研究データには重症患者は含まれず、ほとんどは元気な患者さんです。
それでも多くの人が治せないわけですが、少しでも生活の質を向上させるために適切な治療と環境調整を続けましょう。


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