強迫性障害の全貌

強迫性障害の知識の普及 Link Free

強迫性障害は脳内免疫機能が弱いことが原因?

涙を流すだけでもセロトニンは増えるが、SSRIは涙を出にくくする作用がある。
セロトニンの量は、状況によっても変化するから、セロトニンがどうこうというのは、症状の原因であり、同時に症状の結果でもあるとか。

SSRIは、治せるレベルの人を治しやすくすることはできるが、症状が脳機能に影響を与える面もありそうなので、何十年も症状が続いている人だと治し難いのだろう。

慢性的な精神疾患の薬は、大きく分けると、SSRI(抗うつ薬)か抗精神病薬のどちらかをメインで使うしかなく、強迫症にはSSRIのほうが向いていることは確か。
SSRI+少量の抗精神病薬というのもいいけど、強迫症は脳内だけの問題じゃないので、脳活動をどれだけ鎮静させても、記憶とか現実が意識できる状態だと、よほど軽症の人じゃない限り症状も消えない。
それは、PTSDでも同じことで、現実とか現実のトラウマ記憶への反応で起こる強迫観念にはどうしようもない。

前回書いたミクログリアはどうなんだろう。

統合失調症自閉スペクトラム症では、ミクログリアが活性化していて数も多い。
うつ病でもそうなので、精神疾患ミクログリア活性化が原因?という話が多くて、このところは、そういう結果が出る方向で研究が行われている傾向がある。

しかし、逆に、ミクログリア数を減らしたマウスでは、強迫的な毛づくろいが見られたそうで。
このことから考えると、強迫性障害の人では、ミクログリアの数が少なく、もしかすると、不活性な可能性もある。
強迫性障害っていってもいろいろタイプはあるから、一部の人はそうなっているのかもしれない。

骨髄移植で心も変る? - サイエンスあれこれ
ここにくわしい話があったけど、毛づくろいし過ぎたマウスの写真もあるので、苦手な人は注意。

実際には、強迫性障害の人と、ミクログリアの関係は未研究なので、まだ謎ですが、ミクログリアは免疫細胞なので、強迫症状となんか関係してそう。

ミノサイクリンは、ミクログリアの活性化を抑制する。

精神疾患患者のミクログリア活性化特性と精神病理現象との相関を解明するためのトランスレーショナル研究
(PDFファイルです)

この研究結果によると、ミノサイクリンでミクログリアの活性化を抑制した人は、協調性の少ない(研究者によると、「無意識の影響が少ない」行動を示した。
本人の性格に依存しない(状況依存的な)ストレートな行動をした。

という事は、ミクログリアが少ないと、社会的な自分の意志よりも、状況にストレートに反応した行動が優先する?

ミノサイクリンが強迫症に効くという話もあるので、それならば、強迫症でもミクログリアが活性化している可能性もあるけど、ミノサイクリンの作用は殺菌とか他にもいろいろ考えられる。

ミノサイクリンは長く飲むようなタイプの薬ではないからね。止めても効いたままならいいけど。

ミクログリアを増やすには、前回の記事に書いたけど、骨髄移植しかないのだろうか。
骨髄移植でドナーのアレルギーを引き継ぐことはあるらしいから、逆にアレルギーが消えることもあり得る。
強迫性障害の人で、たまたま骨髄移植をして、強迫性障害が治った人っていないのだろうか?