強迫性障害の全貌

強迫性障害の知識の普及 Link Free

強迫性障害は精神病なのか?

強迫性障害で言う強迫行為とは、強迫されることから逃れようとする行為です。
したくてする自発的行為というよりは、恐怖や不安などを解消するために、したくなくても仕方なく、するしかなくなります。

それとは別で自発的な強いこだわりで行うことも、強迫行為と言う場合がありますが、その前段階に強迫観念がないのならば、強迫性障害で言う強迫行為とは異なります。
しかし、なぜかこういった強迫行為をする人も強迫性障害に含まれることがあります。

何らかの行為を繰り返し続ける常同症というのもあり、これは統合失調症で起こりやすいとされていますが、こういうのも強迫性障害に含まれることがあります。

自閉スペクトラム症で見られるような反復的な常同運動なども、せずにはいられない強迫的な行動として、強迫性障害と関連しているように考えている人もいます。

強迫的行動、強迫行為というと、いろんなことが強迫性障害と関連しているように扱われてしまうので、強迫性障害の場合は、本当は強迫解消行為とでも言ったほうが良いのです。

強迫観念とは、自分の意思に関わらず、思い浮かんでしまうような嫌な考えとかイメージと言われますが、強迫観念だけであれば、頭の中だけでそれが繰り返される場合もあり、それを頭の中で振り払う(消そうとする)ならば、強迫性障害的な強迫観念です。

自殺願望が浮かぶというのは、生きる苦しみから逃げたくて、そうしたくてそう思っていることなので、強迫観念とは言えません。
どちらかというと、その前に頭にある悩み苦しみが強迫観念で、それから逃れるために、自殺願望や希死念慮をするのですから、頭の中での強迫行為といえます。

実際に自殺行動をする自殺企図も強迫行為でする場合も多くあり、強迫観念というのは、抑うつ、憂うつ状態で起こりやすいのです。
確かに強迫性障害の人には一見元気な人もいますが、おそらく内面的には抑うつ、憂うつ状態にすでになっている面があり、軽うつのうちはそれが顕にならないのですが、重症化してくると、うつ病になっているのです。

それで強迫性障害の薬と、うつ病の薬は同じなのですが、強迫性障害のほうがより多くの症状が出るので、薬も増やしたほうが良いとされています。

双極性障害でいう躁状態は、気分が高揚して気持ちも大きくなり、過剰に活動してしまうのですが、強迫性障害でいう強迫行為は、不安や恐怖から逃れるための行為が過剰になっているだけで、その他のことで過活動になったりはしません。
どちらもセルフコントロールが困難ですが、症状としては全然違います。

躁状態でしてしまうようなことは、特に汚染恐怖のあるような強迫性障害の人にはとてもできないことばかりです。
強迫症状があると、普通のことさえスムーズにできなくなりますから、双極性障害の人に強迫症状があれば、むしろ躁状態での過活動は抑えられるはずです。
そのかわり、内面的な過活動が増えることは考えられ、双極性障害の傾向のある強迫性障害の人は、頭の中だけが躁鬱狂のようになっていることも考えられます。

強迫観念は、確認強迫など症状によっては、「~かもしれない」のような未来の不安や恐怖や心配が強迫観念として浮かび、現実にはそれは起こっていないという場合もありますが、汚染恐怖の場合は、それだけではなく、何らかの嫌なこと(不潔、穢れたことなど)が現実にあって、避けていてもそれらに汚染されてしまうことが実際にあります。
そうすると恐怖、嫌悪が伴う強迫観念が浮かび、その嫌な現実(実際の汚れ)と強迫観念(実際の汚れのイメージ)は、実際の洗浄をせずには解消できません。

見聞きした嫌な情報などで汚染されるというのは、妄想のように思えるかもしれませんが、その情報自体が現実で、それに嫌悪反応することも現実で、その汚れは患者本人にとっての汚れで、他の人はそうならないと分かっているので、現実検討力がありますから、統合失調症的な症状ではありません。

本人は昔の自分と比べてどうかとか、周りの人達がどうかも把握していますから、自分が一般的ではないことも自覚しています。
妄想的であれば、そのことも分かっているのですが、統合失調症的な妄想(非現実による恐怖)ではなく、現実の恐怖が結び付いているので、それこそが強迫観念なのです。

強迫性障害の場合、たとえ内面的に精神病状態であっても、まとまり(まともな面)を維持できるのですが、そうしていることで強迫症状が出てしまうのです。

双極性障害統合失調症とは違うが、重症の強迫性障害だと、それに近付きやすかったり、特殊で複雑な病態にもなり得ます。


#強迫性障害 #強迫性障害の症状 #発達障害 #感覚過敏 #神経過敏 #トラウマ #精神病 #PTSD #複雑性PTSD #汚染恐怖 #不潔恐怖 #HSP #HSC #OCD #強迫観念 #強迫症 #ADHD #うつ病 #フラッシュバック #恐怖強迫 #感染恐怖 #連鎖恐怖 #潔癖症 #こだわり #反芻思考 #HSCHSP #過敏気質 #異物恐怖 #パキシル #レクサプロ #ジェイゾロフト #レキサルティ #ミノマイシン #パロキセチン #自閉スペクトラム症 #ミクログリア仮説 #強迫性障害症状 #強迫性障害原因 #HSPHSC