強迫性障害の全貌

強迫性障害の知識の普及 Link Free

強迫性障害は治せるという話は本当か? その二

強迫性障害の人の知能は正常なので、自分のこと、現実のことが分かり、自分の症状がどうであるかも分かります。
何らかのストレスの強いことがあれば、苦痛を感じブレーキがかかりますが、ストレス耐性が低いと、苦痛が強くても社会の中ではブレーキをかけさせてもらえずに、我慢することになり、そのストレスで神経が消耗して益々神経過敏になります。
これは強迫性障害の人はある面ではとても正常なので、自ら社会(一般の人達)に合わせて無理をしてしまう傾向が強いことも関係しています。

統合失調症(陽性症状)でも苦痛は感じられるのですが、その苦痛の元が幻覚や妄想によってもたらされているという特徴があります。
相手が人であっても、現実の人ではなく、幻覚や妄想化された相手に苦痛を感じるのです。

統合失調症の人でも発症前は現実の強迫的なことに敏感になって、強迫行為がなくても強迫性障害の慢性症状とほぼ同じ状態の人がいます。
統合失調症を発症することで、現実の強迫的なことからの逃避ができるようになります。
現実が幻覚や妄想化されることで外界の刺激は緩和されますが、それは現実逃避(強迫解消)の始まりであって、陽性症状を経て、自閉、陰性症状に向かうことで、ストレスに対する反応も鈍り、強迫症状は落ち着きます。
陰性症状うつ病の大きな違いは、うつ病で不活発になった場合は、焦りや苦痛があるのですが、陰性症状であると特に何もしていなくてもそういったことが感じられません。
精神的に過鎮静しているからなのですが、生活の面倒を見てくれる人さえいれば、陰性症状であることは患者本人にとっては楽な状態になります。
患者本人の周りが迷惑なので、治さないといけないというだけです。

ただし、そうなれるのは、陽性症状のストレスに一定期間耐えられる人であり、元々からストレス耐性の低い過敏な人であると、陽性症状を発症しませんから、自閉/陰性症状にも向かいません。
ですから、過敏な人は、強迫症状も落ち着かずに、慢性化して、無理をすれば悪化して行きます。
それが強迫性障害です。

物事の刺激に過敏であるからこそ、統合失調症になりませんし、自閉もしないのですが、物事の刺激に過敏であると、強迫性障害が治らないのです。

妄想と強迫観念の違いは何度か書いていますが、現実との結び付きの強さであり、妄想内容は非現実ですからあり得ないことなのですが、強迫観念の内容は過剰思考ではあっても現実的ですから、あり得る範囲のことになります。
それと、強迫観念の場合は、その思考が自分の内側だけにあって、他の人とは違うことが分かっています。
表象幻覚のようにイメージを現実として扱ってしまう場合も、それが自分の内側だけにあるイメージだと分かっている点で、幻覚とは違うわけです。

ですから、強迫観念が非現実と言う考え方は、妄想と強迫観念の違いがよく分かってない人の言う事で、強迫観念であれば現実との繋がりが強いのです。
非現実的であっても妄想とは全然違うレベルで、まったくあり得ないことではないのです。
過敏であるからこそ、普通の人なら気にならない(不快や嫌悪、恐怖、不安を感じない)レベルのことが気になって、考えやイメージに対しても現実的反応が出てしまうのです。
そしてその過敏性は、腰を痛めた人が頭でどう考えようと腰が痛いことと同じで、頭でどうこう考えるからではなく、自分の意に関わらずに反射的に起こります。
考え方が悪いから過敏であるわけがありませんから、過敏性を無視した認知行動療法強迫性障害にはまったく向いていません。

認知行動療法は「あなたはこういう心理の病気なんです」と一方的に決めて、それを患者に思い込ませるということから始めます。
あなたは物事をこうやってとらえて、こういう行動をするから、こういう病気なのです。
ですから、こうやって考えて、こういう行動をすれば治せると言うわけです。
そう思い込んでもらわないと、認知行動療法が効かないからです。

しかし実際の患者の心理や症状は患者自身が一番分かります。自分と違うことを自分のこととして思い込むことはできません。

病気の治療と言うのは、本来ならば、「あなたの病気はそういう病気なんですね」から始めることになっています。
具体的に症状が分からないと、何を治すのかが分からないからです。
心理療法(認知行動療法)が病気の治療であれば、それを行う前に、患者の症状や病歴を聞くのは、当然やらないといけないことなのです。
それが問診なのですが、診察すること(医療行為)になりますから、医師法で医師しかできないことになっています。
ですから、診察は医療機関で医師が行い、認知行動療法はそれとは別で医師以外が行うという形が多いとは思いますが、医師ではない人だけで、十分な診察もできずに認知行動療法を単独でやっている所もあります。

前回も書きましたが、うつ病認知行動療法と違い、強迫性障害認知行動療法(曝露反応妨害)は精神的な侵襲性が強く患者へのストレスが強くなります。
過敏でストレスに弱い人は、普通の人なら傷付かない認知行動療法が精神的暴力になって症状が悪化することがあります。
療法どころかトラウマになってしまうのです。
やりたくもない不快なことを強制することはできませんので、その場合は患者自身が自発的にやめれば良いのですが、嫌でもやったほうが本人のためとか思い込ませている所もあります。
http://ocd-net.jp/column/c_186.html
そういう人はビジネス(心理商法)としてやっているだけで、感覚過敏や神経過敏でストレス耐性の低い人のことなどは考えていません。
療法内容をしっかりと事前説明せずにとにかく受けさせるという考え方は、インフォームドコンセントの面から考えても適切な治療とはいえません。
http://ocd-net.jp
某製薬会社のステマですが、素人ライターが情報をかき集めて鵜呑みして書いていますので、故意ではないにしても認知行動療法ビジネスに加担していたり、様々な誤解を振りまいています。
そもそも神経質というのは、実際に神経過敏の人に起こる症状などと違って病気ではありませんから、強迫性障害とは関係のないことです。
神経質は森田療法で治せる範囲(健康人の気のせいの範囲)として作られましたが、気のせいではなく実際に病気の範囲の強迫性障害だと森田療法では絶対に治せませんし、当然ですが、他の心理療法とかカウンセリングでも感覚過敏や神経過敏での症状(病気の範囲)は治せません。
認知行動療法森田療法も、それで治せる範囲(精神障害ではないレベル)の病気を都合よく作って、その範囲なら治せるという意味ですから、それ以外は治せません。
森田療法は宗教に近く、認知行動療法はビジネスに近く、医療行為ではありません。
信じるのは自由で治る人もいるはずですが、対話とか療法自体のストレスが強いとかでやりたくないなら、無理にはやらないほうが身のためです。
本当に障害レベルの人はそんな子供だましの方法では治せないと分かりますから取り組みませんから、取り組むとしたら治る範囲の人(気のせいの健康人)が多くなり、そういう人達は治せるということです。

公認心理師という国家資格ができましたが、これも病気の医学的治療(医療)ができるわけではありません。
しかし、医師の指示の下などの条件付で、公認心理師が行っても保険内で認知行動療法ができる方向に仕向けられる可能性はあります。
そうなれば認知行動療法を教えると言うビジネスも潤うからであり、現状でも認知行動療法精神障害が治せると言う宣伝が堂々と行われていますが、益々、強迫性障害認知行動療法ビジネスに適した範囲の病気になっていき、実際の病気(認知行動療法が効かない範囲)から離れていく可能性も強まります。

同じ病気でも認知行動療法が適しているか適していないかの判断をしっかりと行うべきなのですが、強迫性障害自体が理解されない状況で、その判断ができるわけがないのです。

認知行動療法は認知行動訓練と言うべきことで病気自体は治せません。
それが適した病状の人(ほぼ健康に近い人)やそのレベルまで治療できた人にこそ有効なのであり、精神障害と言える本当に病気の人には向いていません。
認知や行動の問題で病気になっている人なら認知や行動を修正すれば良いのですが、病気の症状で認知や行動に異常が起こっている場合は、認知や行動を修正しようにもできませんから、その前に病気を治すべきなのです。

一番の問題点は、悪化する人がいることを考えていない点で、有害になった場合の報告制度や保障制度もありません。
認知行動療法で「悪化しないか?」「トラウマにならないか?」「そうなったらどうしてくれるか?」
強迫性障害(汚染)の場合は、精神的消耗だけでなく、体力的にも消耗するし、お金もかかります。
「汚染で物品を捨てて買い直すことになったり、長時間洗浄することになったら、物品のお金や水道代を払ってもらえるか?」
そういう患者への害を考えずに、不都合なことを隠して、強迫性障害が治せると言っているのは、ビジネスとしての誇大広告ですので、注意してください。

 

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