強迫性障害の全貌

強迫性障害の知識の普及 Link Free

飲食で感染対策は?/正常な手洗いと異常な手洗いの違い

厚労省は食品からの感染は確認されていないとか言っていますが、それは、接触感染(手などに病原体が付着して、その手で口や鼻の粘膜を触ることで、体内に取り込まれる感染)自体が確認し難いことだからです。

病原体に汚染された手で、直接、口や鼻の中を触ることはそんなに多くないはずですが、汚い手で鼻をかんだりすれば、手や鼻の表面に付着していた病原体が鼻の中に入る危険はあるし、水やお湯で髪や顔を洗うときに、髪や顔に付着していた病原体が口や鼻の中に流れ込む可能性もなくはないです。

しかし、それよりも、汚染された手で食べ物を直接触って食べて体内に入ることのほうが、多いのではないでしょうか。

仮に新型コロナが圧力とか摩擦ですぐに潰れて感染力を無くすとかなら、噛んで食べることで潰せますから感染し難くなります。
とても小さいので、実際そんなに脆いのかは分かりませんが、そんなに噛まなかったとしても、食べ物に混ざって胃のほうに行けば、口や喉の粘膜に付着する確率は低くなります。

そう考えると、食べ物で感染する可能性は低そうですが、もし口や喉の粘膜に付着したままになれば、感染してしまうことも考えられますから、汚い手では直接食べ物を触らないように注意してください。

売っている食べ物は基本的に衛生管理されていますが、電子レンジなどでもいいので、加熱したほうが安全です。

粘膜からは感染しますが、手で触るだけでは感染しません。
新型コロナは小さいのですが、それでも皮膚から浸透するほどの小ささではないし、特に手のひらは毛穴とかもないので、十分にブロックするのです。
皮膚に感染する微小病原体もありますが、その多くは皮膚に症状が出る病気になり、新型コロナはその種の病気にはなりません。

もし触っても、口、鼻、目に入れないならば、安全なのですが、そういう注意ができない人もいるし、触るだけでも感染恐怖は強まるし、その手で、公共物やみんなが触れる物を触ると、汚染が拡大してしまうので、頻繁に消毒や手洗いをしましょうと言われているのです。

新型コロナは、エンベロープ(外殻)を潰したり溶かせば感染力を無くすという話が多いのですが、エンベロープはとても固いのか、それとも脆いのかどちらなのでしょう?
空気感染しない=エンベロープが完全乾燥ですぐに砕けるとしたら、摩擦などにも弱いはずなので、指で強く擦り合わせたりするだけでも潰せるかもしれませんが、新型コロナの固さ的な強度の実験結果が無いのではっきりしません。

それで消毒か洗い流すのが確実なのですが、消毒と言っても、新型コロナは単独では動いたりも増えたりも何にもできませんし、エンベロープ脂溶性なので、手などに付着しているだけなら、とても小さな油汚れみたいな物です。
エンベロープ(脂)を溶かせる物ならなんでも消毒に使えますから、食器などに付着していても普通の食器用洗剤で洗い流せます。
ですから、飲食店などで、お客さんが使用した食器類に関しては、前々から衛生管理をしっかりしているお店なら、特別なことはしなくても良いでしょうが、安心して利用してもらうためには、衛生的であることをアピールしたほうが良さそうです。

飲食店で食器に付着するとしたら、空気中の飛沫(シブキ)、エアロゾル(小さなシブキ)、飛沫核(飛沫の水分が乾燥した状態の病原体)がいつのまにか付着してしまうとか、汚染されている手で食器を触るとかになりますから、店内の換気を良くして、調理場などで洗浄済みの食器などを触る前には、しっかりと手を洗ってください。

飲み物はどうでしょう?

喉が渇いたら水を飲むことで潤いますが、それは喉の粘膜に飲んだ水の水分が少し付着するからです。
ということは、仮にその水に病原体が入っていたら、喉の粘膜に付着してしまう可能性があります。

飲み物に病原体が入るとしたら、飲食店のコップなどがあんまり洗ってなくて、ということは少ないと思いますが、飲食店の空気中に漂っていた小さな飛沫(シブキ)やエアロゾルや飛沫核(乾燥コロナ)がコップの中に入ることは考えられます。

それを飲んでも、ほとんどは胃のほうに流れていくのですが、もし口の中や喉の粘膜に残ってしまったら、感染してしまうことも考えられます。

胃のほうに流れていけば大丈夫なのかははっきりしていませんが、口や喉の粘膜に付着したままよりは感染し難いはずです。

ですから、カフェとか飲食店でドリンクを飲んだ後に、ペットボトルの水などを多めに飲んで、粘膜に付着したドリンクを胃に流し込めば、少しは安全かもしれません。

症状の無い感染者も多いので、入り口で感染者かそうでないかを区別する方法はありませんし、店内飲食の利用者はマスクしたままというわけにはいきませんから、客席の間を2メートル空けるとか、シートとか何かで区切るとかしたほうが安全です。

空調に関しては、窓やドアの開放が難しいなら、強力な換気扇を取り付けるか、有効なフィルター(HEPAフィルターなど)の付いた空気清浄機を設置すると良いでしょう。

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手洗いの蛇口は自動水栓の所が多いと思いますが、手動ハンドルであれば、できるだけ自動水栓(手をかざすと自動で出る非接触式)にしてください。

手洗い用のハンドソープもオートディスペンサーにしてください。

入り口に消毒液を置く場合、手動のポンプ式ボトルではなく、オートディスペンサー(非接触式で自動で出るタイプ)にしてください。
飲食店、カフェ、居酒屋などの入り口に置くなら、フロアスタンド付きがお客さんの目に止まりますから自然と誘導できて向いています。

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普通のポンプ式ボトルだと押す部分を汚い手でみんなが触りますから、消毒が不十分だと逆に感染リスクがあります。
オートディスペンサーの機器(自動消毒器)は非接触式で、安心清潔です。
ただし、手荒れとかの問題で、自分用の消毒液(携帯ボトル)を使いたい人もいますから、そういう人にまで使用を強制するべきではありません。

最近は消毒ブームですが、強迫症の人の汚染の強迫観念は消毒だけでは消えません。
軽い不潔恐怖の人なら、消毒だけで済むことも、汚染恐怖(洗浄強迫)の場合、洗浄しないと汚れが落ちないので、消毒するだけでは不十分なのです。

汚染区域(外出中)では、とりあえず除菌ペーパーで済ましても、清潔区域(自室など)では、ほとんどの物(ちゃんと洗い流せない物)を触った後には、いちいち手に汚れが付着して、いちいち手を洗わないといけなくなります。
汚い物を触ると、その手では、きれいな物が触れなくなります。
それが汚染恐怖の基本ですが、強迫観念の汚れには、精神的な汚れも含まれますから、様々な症状が出ます。

強迫状態と言うのは、現実の刺激、それと結び付いた思考や不快な感情、それが強迫観念として記憶に刻みついてなかなか消えないという、嫌なことの付着状態です。
何らかの「気付き」「感覚」それが不快であると、長く残ってしまうのが、強迫状態なのです。
現在、過去、未来、現実の刺激か、思考の刺激かに関わらず、どの時点のことであろうと、不安や恐怖や嫌悪が起これば、それがなかなか消えないし、憂鬱感、焦燥感、そういう「感じ」が起こると、その不快な感じも強まり、なかなか離れてくれません。
それらに長々と強迫されることになり、その苦痛も続きます。

過敏性により、普通の人なら刺激にならない些細なことでも気になってしまうだけでなく、気になったことの強迫性が強まり、それがなかなか離れなくなって苦しむのです。

強迫性障害の人は、過敏であることで、強迫されることに弱く、その強迫のストレスを和らげるためになんらかの行為をするのですが、それをしなければならない状態も強迫になって、本来はやりたくないのですが、それ以上にその行為をさせる原因のストレスが苦痛なので、その行為を止められないのです。

止められないと言っても、依存症と違い、それをしたいわけではないのです。

一般会話では、「こうしなければならない」という強い思いを強迫観念ということがありますが、「こうしなければならない」としてもそれがやりたいことなら、欲求的な行動とか依存症的な行為であり、その強迫感は強迫症の強迫とは別なのです。

やりたいことにとらわれたり、それをしたいという思いは、よほどその欲求での衝動のコントロールに弱い面があれば、依存症になりますが、普通の人にもよくあることで、ある程度なら、自然なことです。

そうではなく、楽しくも無い、やりたくもないことを、しないといけないとしたら、そこには何らかの不快な強迫観念があることになり、その苦痛を解消しようと、その行為をしないといけなくなってしまうのです。
なぜそうしなければならないのか、それをする動機に強迫観念があり、「こうしなければならない」という思い自体は、強迫症では強迫観念ではないのです。

ですから診断基準でも、強迫行為は(依存症と区別して)楽しいことであってはいけないとなっていますが、普通の人でもスッキリ感とかサッパリ感、完全感が好きな人は多いし、手洗いが好きな人はいますから、本当はそれだけでなく、強迫観念となっていることが、普通の人なら不安や恐怖、嫌悪などが起こらないことであるかで、強迫症かどうかが分かるのです。

強迫行為が楽しいことであってはいけないというだけでなく、強迫観念があってそれをしているのか、そしてその強迫観念(不安、恐怖、嫌悪など)の対象が、普通の人ならそう思わないこと(普通は恐怖しない物事)なのか、そういう違いから、普通なのか、行為依存症なのか、強迫症なのかの区別ができるのです。

普通の人が恐怖する物事を、強迫症の人が恐怖することもあのですが、その恐怖による強迫の程度は、普通の人よりも過剰になります。
強迫の強さは、過敏性の強さが原因ですから、普通の感覚の人であれば、恐怖症にはなっても、その恐怖に強迫される病気=強迫症にはならないのです。

新型コロナへの恐怖で頻繁に手洗いするのは、普通の人にも起こりますから、強迫症ではないのですが、もしそれだけではなく、普通の人達が恐怖しないことで、頻繁に手洗いしているのなら、強迫症である可能性も強いです。

今は感染対策で、世界レベルで強迫行為や回避が行われていますが、感染(危害的なこと)の対象が何であるか、どの程度の危害を感じるかは、感受性やストレス耐性、経験などによって人それぞれで、強迫性障害の人は、感受性の強い人が多いので、普通は危害にならないことでも、実際に危害を受けてしまいます。

不安、恐怖、嫌悪などのある刺激を感じると、それが残り続けて離れなくなってしまうのが強迫状態で、この苦痛に耐えられずに、なんとかなくそうとするのが、強迫行為です。
この流れが強迫症状ですが、感覚過敏や神経過敏によって起こります。
過敏であるから、耐えられないし、そのダメージも長く残ってしまうのです。
それで不安や警戒心が強まり、「こうなってしまうかも」という不安も強迫観念になりますが、それだけではありません。

強迫症は、自分の意に関わらずに、「こうなってしまうかも」という不安が強迫的に浮かんで、それにとらわれる病気という説明が多いのですが、そういう先の不安だけでなく、今現在の実際にこと(現実体験)でも何らかの不快な思いをすれば、それにも強迫されてなかなか不快感が消えなくなってしまうし、そういう不快な体験の記憶も消えなくなって記憶(トラウマ)に強迫されることになります。
だからこそ、先の不安も強迫観念として浮かぶということです。

特に強迫観念が汚染の場合、汚れへの過敏性の強さから、実際に汚染されることも多くなります。
普通の人なら汚れないことでも汚されてダメージを受ける場合もあれば、普通の人が汚染されることでも汚染される場合もあり、どちらにせよ、その汚れが強迫観念化してしまうので、汚れの付着性が強まり、なかなか落とせなくなり、それと結び付いている嫌悪とか恐怖も続いてしまい、それが強迫の苦痛なのです。

汚れのイメージが浮かべば、それが離れなくなりますから、汚れたものなどを捨てたり、長時間洗浄しないといけなくなります。
そのイメージは、現実と結び付いている(現実の何かの)イメージですから、妄想のような非現実とは違って、薬では静まりません。
現実行動の強迫行為で、その不快な思いを浮かばせる現実を変えないとイメージも残ったまま(付着したまま)になります。

もちろん汚染だけでなく、何らかの事で、恐怖が起こると、その感情とか、それと結び付いた思考がなかなか消えなくなってしまいます。
現実のことであれ、思考だけのことであれ、不快なことがなかなか離れてくれない状態になってしまえば、誰だって苦痛なのですが、普通の人よりもそういう強迫状態になりやすいのが、強迫症なのです。

普通の人なら、怖くも嫌でもなくても、強迫性障害であると、様々なことが恐怖となり強迫的に感じられ、過剰に避けてしまうのです。
ただ同じ強迫性障害でも何に過敏反応が起こるかとか、その感受性の強さも人それぞれ違いますから、症状も多種多様なのです。

神経過敏で違和感などに敏感というだけでも強迫症状は起こります。
強迫感覚主体型=違和感などの不快な感覚の強迫が気になって、しっくり来るまで繰り返したりの強迫行為をするタイプです。
汚染恐怖とかの強迫観念はある程度、知能が発達しないと浮かびませんが、違和感を気にしたりは、小さい子供でもありえます。
小さな子供でよく手を洗うという場合、単に水を触るのが心地良くて好きで長く洗っている場合も多いので、よく手を洗うからといって、不潔恐怖とは限りません。
スッキリ感が好きなのかもしれませんが、除菌剤の入った洗剤で何回も洗おうとしたり、汚い手で触った物を、手洗い後には触ろうとしないとかなら、汚染や不潔恐怖の強迫観念にとらわれている可能性があります。

強迫感覚主体型が強迫性障害(強迫観念主体型)の原型なので、基本的にはみんな違和感には弱く、気になったこと、気付いたことが、気に付いたままになり、離れなくなります。
不快なことは、強い違和感ですから、その刺激が強いほど、なかなか離れないのです。

敏感な人は、空気中の水分や塵ホコリだけでなく、場の雰囲気自体にも敏感で、暗く湿気の多いジメジメした場所とか、寂れた感じの場所が苦手な人が多いのですが、そういう場所で感じる感覚や感情にも敏感に反応しますから、場から、汚い感じ、寂しさ、不幸感を感じると、その思いによる衝撃にも束縛されます。

ただ、敏感だと、そういう抵抗のあることに対処するストレス耐性がなく、本人だけでは環境改善がなかなか困難になり、汚染恐怖や不潔恐怖の強迫観念が強いと、汚い物に触れられなくて、掃除ができなくて、部屋が汚くなってしまうことにもなります。

特に抑うつが重なっていると気力が出ないので、可能な範囲は清潔にして、そうでなければ、放置するしかないのですが、清潔にしている範囲が、汚染されれば強迫観念が離れなくなって、その苦痛を放置はできませんから、気力がなくても洗浄などの強迫行為をしないといけなくなり、心身のエネルギーが消耗してしまいます。

強迫性障害には神経過敏でない人もいるから、器質的な過敏性とは無関係の病気とか言っている人もいまだにいますが、明らかに過敏性の強い患者が多いのも事実です。
多種多様な強迫性障害を同じ1つの病気として扱うことはできません。
完璧主義や神経質な性格による強迫症状もあれば、無意味に行為を繰り返す人とか、行為依存症の人とかにも確かに過敏性のない人はいます。
みんなが同じでないどころか、強迫症状の原因とかタイプが人によって全然違っても当然なのです。
それをみんなが同じとすることで、様々な誤解と偏見と混乱が生じているので、それならそれでタイプ分けすることによって、強迫性障害の全貌が理解できるのです。

雑多な範囲も含めて同じ1つの病気としていることで、いつまでも理解されないままなので、このブログでは正しいタイプ分けと、本当の強迫症の説明をしているのです。


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