強迫性障害の全貌

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HSP・HSC(敏感気質)と神経質の違い、HSP・HSCと強迫性障害の関係/過敏性の精神障害がない理由

HSP・HSC(敏感気質)と神経質の違いは何でしょう?

HSP・HSCは、敏感な感じ方をする気質で、小さなことも気になってしまいます。
気質は日本語的には気の質ですから、体質と違って、感じ方や考え方の性質と考えることができますが、性格と違って、元々から備わっている精神的性質という意味が強くなります。

神経質は敏感な考え方をする気質とも言えますが、森田療法に出てくる神経質の場合は、後天的らしいので、性格的なことです。
敏感に気にして考える気質=考え方の癖みたいな感じで、実際には神経過敏ではないのですが、気にすることで敏感になってしまうそうです。
なぜ気にしてしまうのかというと、健康で長生きしたい欲求が強いから、それに反することに対して神経質になってしまうということです。
であれば、実際には、気にする気質なのではなく、生存欲求が強いだけなので、HSP・HSCとはまったく違うことです。

そういう神経質の場合は、生存欲求にとらわれなければ、それに反することにも気にならなくなり、何も問題はないのですが、HSP・HSCは、気にしなくても敏感なので、気にしないわけにもいかなくなります。

過敏性の強迫の場合は、気にしないようにするから、気になってしまうのではなく、敏感だから気になってしまうのですが、森田療法での強迫症状は、気にし過ぎることを、気にしないようにすることで、強迫行為をしてしまうが、そうしている限り、気にしていることが余計に気になってとらわれてしまうという考えです。
なぜ気にするのかは、健康で長生きしたい欲求が強いから、それに反することに対して気になってしまうということですが、そういう前向きな欲求に素直に従うことで、それに反することも気にならなくなり、神経質も治せるとなっています。
しかし、この神経質は、実際には、気にする気質なのではなく、生存欲求が強いだけなのです。
その理論だと、元々から前向きな欲求に素直に従っていることで、それに反することが気になってしまうのですから、その欲求に従えば、余計に神経質になって、むしろ悪化することになります。

森田自身が神経質だったので難しく考え過ぎていのですが、考え過ぎの人達もそういう理屈が好きですから、神経質者が好きな理屈(考え方)を提示して、信者であれば、それが実際には見当違いでもその理屈を正当化しようとしますから、治療にもなったのです。
当然、神経質者でも神経質教の信者になれなければ、考え方も変わりませんから、治療を受けても治りません。

認知行動療法に出てくる強迫症も、過敏性は関係がないし、あくまで不安だけによる強迫のことで、その不安も自身の考え方によって不安になってしまうという意味です。
基本的には森田療法と同じで、考え方を変える訓練になりますから、患者がその療法の理論を正当化しようと思わない限り、考え方が変わらないので、効果はありません。
ということは、患者が納得できるような理論でないと意味がなく、過敏性の強迫の場合は、そういう心因性の不安とか、神経質向けの理論自体が完全に間違いになりますから、治せるわけがないのです。

神経質というのは、このブログで言うと強迫行為先行型になり、「こうであるべき」「こうしたい」というこだわりや欲求自体にとらわれ、その思いを満たそうと強迫行為を求めることで、それに反する状況で、強迫観念が浮かぶタイプです。
強迫行為を求めなくなれば、強迫観念も浮かばないし、何も問題はなくなります。
気分や感情の障害や衝動抑制障害的な症状などの病的な原因で、欲求にとらわれやすく依存症的になっている場合は、これはこれで治し難いのですが、森田療法に出てくる神経質のように、単に考え方の問題であれば、過敏性の問題もないので、自分である程度はコントロール可能で、比較的治しやすいタイプです。

神経質は敏感に感じることではなく、気にすることで敏感になりますから(心が作る過敏性)、考えなくても敏感に感じてしまうことよりは、修正しやすいと考えられています。

過敏性の強迫症状ではなく、神経質や、思い込みの不安での強迫症状のように、完全な心因性強迫性障害の人も確かにいるのですが、近年では、そういうタイプの中にも、脳機能的な問題で、そうなっている人もいるという研究結果もあり、それであれば、神経質でも実際には神経質ではありません。
このタイプは、比較的SSRIが効くという話もありますが、考え方の問題も無関係ではない(考え方の癖によって脳機能に問題が起こるという説もある)ので、考え方の修正もしたほうが再発し難くなります。

そのタイプであれば、HSP・HSC(敏感気質)と無関係ということでもありませんが、少なくとも森田療法に出てくる神経質は、HSP・HSCとは、全然別物です。

HSP・HSCと強迫性障害の関係

敏感な人といえば、HSP/HSCというのもありますが、それを考えた本人が、発達障害でも精神障害でもないと言っているのですから、敏感であることで苦痛が多くても、病的なレベルではないわけです。
一般社会にもなんとか適応できる範囲の過敏性です。
そのことで、この段階からは、特に社会的配慮も受けられませんが、刺激に弱く、ストレスは感じやすいので、慢性的にストレスが続くことで、ストレス耐性の低い人は、強迫症にもなってしまいます。

HSP/HSCでも過敏というほどではなく、ストレスにも強ければ、(HSCならHSPになりますが)強迫症にはなりません。
敏感といっても一時的なことで、その感じがすぐに消えてしまうなら、不快な感じなどでの強迫状態にもなりませんし、特にそれを気にすることにもなりませんから、強迫行為も起こりません。
しかし、極度に敏感であると、その不快な感じがなかなか消えなくなり、気にしないわけにもいかなくて、気になってしまうことで、その不快な感じに思考が結び付いてしまいます。
そういうのが、過敏性の強迫観念で、頭でどう考えようと、その考えとは無関係に、危害に対する不快な感じによって、生理的反応として浮かびます。
人間は何らかの危害があれば、それに対して、不快に感じたり、不快な思いが浮かんでしまうのです。
それが恐怖や嫌悪や不安などの強迫観念になります。
そうならないと、危険回避ができなくなり、生物として逆に危険な状態だから生理的にそうなっているのですが、極度に敏感であると、実際に危険なことが多くなって、そういう反応も過剰になります。
それで何らかの危害の回避や防御や対処として、強迫行為も過剰になります。

外界の刺激に敏感というだけで、ストレスには強ければ、不快な刺激が長引きませんから、強迫観念は浮かばないのです。
思考や記憶や感情などの内面刺激があっても、それに耐えられれば、気にならないので、すぐに消えていきます。
これが普通の人の敏感状態で、過敏性による強迫状態(刺激が残る状態)とは違い、一時的な過敏反応の症状で済みますから、強迫症的な症状は出にくく、刺激を過剰に避けるとか、不安が多い、子供であれば泣きやすいとかの範囲にとどまり、強迫行為も起こりません。

強迫性障害での過敏というのは、実際にはそんなに刺激のないことなのに、それに見合わない大げさな反応をするという意味ではなく、実際の刺激に非常に敏感という意味です。
過敏性が強いことで、普通の人が気にならないような、小さなことも気になってしまいます。

強迫性障害の場合は、病気範囲の過敏性の強さがあるので、病気の症状が出ます。
特に意味のある刺激(思考や記憶などの内面刺激)への過敏性が強いのが、一般の感覚過敏とかHSP/HSCとの違いです。
不快な刺激が長く残ることで、そこに不快な思考も結び付くのです。

HSP/HSCが、病的レベルなら全般性過敏症というべきで、それに強迫観念が結び付いたのが強迫性障害ですから、全般性過敏強迫症みたいな病状になります。

HSP/HSCによくあるような、気質的過敏性による感覚的な不快感に、器質的過敏性による強迫観念が結び付くと強迫症になり、不快な感じだけではなく、不快な思いにも強迫されます。

強迫性障害は過敏性の精神障害なので、強迫観念(嫌な思考)は、嫌な感じから浮かびます。
この感じが、敏感な人には、苦痛であり、危害なので、その危害に対して、反射的に思考が結び付きます。
これはある意味、当然のことですが、敏感でなければ、そんなに起こらないことなので、障害レベルにはなりません。

HSP・HSCのように特別に敏感であると、ストレスが多くなり、嫌な感じ(強迫感覚、感情強迫)も多くなりますが、その「感じ」が、思考化されると強迫観念になります。
「感じ」自体は、思うことというよりは、感じることなのですが、その感じの思考化というのは、その感じで思い浮かぶ思考です。
それが何なのか、なぜそうなったのか、そうならないためには、などの(感じの意味)を、考えたり、思ったり、イメージすることも含みますが、そうならなくても、その体験の記憶が残れば、その記憶を嫌でも思考する(思い浮かべてしまう)ことになります。
意味のない(思考しない)感覚的刺激(不快な感じ)に、意味のある刺激(不快な思考)が結び付いたのが、強迫観念です。
敏感であることで、感じだけではなく、意味による刺激での不快感や違和感にも強迫されて、ストレス耐性が低いことで、その苦痛の停滞状態が長く続くので、その対処として強迫行為をすることになります。

敏感だと刺激を受けやすく、そのダメージも長く残りますから、過敏性が強迫性を強めます。
強迫性の症状は、長らく、考え方の問題とか、考え過ぎとか考えられてきましたが、過敏性の(強迫症的な)強迫観念の土台には、感覚過敏、神経過敏、AD/HD、HSP/HSCといった神経や脳を含めた体質的(器質的)問題があるのです。

しかし、神経過敏での精神症状があることは、今までは隠されてきました。

神経過敏自体は、器質的な問題ですが、心因性の敏感な症状もあるし、脳内の神経回路のことなどは分かり難く、器質性とはっきりと分かることでもなく、だからと言って、症状はストレス反応ですから、内因性でもなく、だからと言って、過敏性は心理的な問題ではなく、器質的な問題ですから、心因性でもないので、精神医学や心理学では扱い難いのです。

精神医学的には、PTSDでも過敏性のトラウマではいけないし、実際に醜い場合は、身体醜形障害(醜形恐怖症)ではありませんし、強迫観念も、過敏性(実際の危害での不快な思い)ではなく、思い込みの不安思考(想像上の危害への不安)でないといけないのです。

同じ強迫性障害で、過敏性があるかどうかを見分けるのに、症状で分かります。

過敏性の少ないタイプ(不安型)=未来の危害に対して浮かぶ不安の強迫観念しかない。
強迫行為としては、その危害を回避する安全確認などが過剰になりやすい。
このタイプは、不安になりやすいことでの強迫観念ですから、強迫観念がはっきりとなくても、不安感にも強迫されます。
一般的な説明に出てくる強迫性障害は、(過敏性は関係のない)不安の病気ですから、基本的にはこのタイプのことです。

過敏性の強いタイプ(恐怖、嫌悪型)=現在や過去の実際の危害に対して、恐怖や嫌悪などの強迫観念が浮かび、それがあることで、未来への不安思考も強迫観念として浮かぶ。
強迫行為としては、確認だけでなく、洗浄なども過剰になりますが、過敏でストレス耐性が低いことで、そういう行為も苦痛で危害になってしまうので、回避が過剰になります。
しかし、回避するのもストレスが強く危害になって、何もしてなくても頭の中に強迫観念が残ってしまっているので、それも危害となって、何かをすることになり、そうすると強迫観念が浮かんで、強迫行為をしないといけなくなり、といった感じで、どうしようと慢性的に気が休まりません。
このタイプも、不安感や不安思考にも強迫されるのですが、不安になりやすいから、強迫観念が浮かぶというよりは、過敏性によって、様々なことに強迫され強迫観念が浮かび、その中に不安も含まれるのです。
強迫観念がはっきりとなくても、些細な違和感などでも強い刺激となり、強迫行為や回避に繋がります。
このタイプは、一般的な強迫性障害の説明には書かれません。

なぜなら、精神障害というのは、器質的過敏性が原因であってはならないという考えがあるのです。
器質性の神経障害だと、精神医学や心理学などでは対応できません。
もし器質性の神経障害の場合でも、症状自体は、精神(心)の病気でなければいけません。
明らかな脳機能の障害で、強迫症状が出ることもありますが、その場合でも、神経過敏の病気ではなく、不安の病気としての強迫症状=普通の強迫性障害が、脳機能の障害で発症したと考えるのです。

統合失調症も器質的原因が明確なら、精神障害ではないのですが、神経過敏症状ではないので、症状自体は精神障害統合失調症の薬で治せますから、統合失調症として扱えるのです。
認知症も器質的な病気であれば、精神障害ではありませんが、認知症の症状も神経過敏症状ではないので、精神科である程度は対応可能です。

しかし神経の過敏性は薬では治せないので、その過敏性での精神症状も治せません。

器質的な過敏性は、精神障害の原因としては想定していないので、過敏症とか敏感症みたいなのは、精神障害にはないのです。

PTSDであっても、一般の人がトラウマにならないような体験でのトラウマ(過敏性によるトラウマ)は含めませんし、恐怖症にしても過敏性による恐怖ではありませんし、強迫性障害にしても、頭の中での(想像上の危害)への不安思考こそが強迫観念であり、実際の危害での不快な思いに強迫されても、それは強迫観念ではないとされてきました。

そういう病気は、過敏性の症状であってはいけない(心の問題でないといけない)ので、このブログに書いてあるような、過敏性の強迫状態は、今までの基準からすると精神障害ではありませんし、強迫性障害でもありません。

しかし、実際には、どうして強迫行為をしているかということは関係なく、強迫性障害の症状が見られれば、何でも強迫性障害になりますから、実際には神経質であろうと、不安症や恐怖症であろうと、過敏性の強迫であろうと、全部同じ強迫性障害(不安思考による強迫の病気)として扱われるのです。

過敏性の強迫症は、不安だけに強迫される病気ではないし、過敏性は、考えの問題ではなく、考えに関わらないことですから、不安思考での強迫性障害と同じように治そうとしても、治せるわけがないのです。
不安に効く薬も関係ないし、認知行動療法森田療法もまったく通じません。

過敏性による強迫状態は、症状としては精神障害なのですが、精神医学や心理学などでは治せませんし、精神科でなくても脳の神経回路をどうこうするような治療法はありませんから、どこに行こうが治せません。
一応、脳深部刺激療法というのはあり、アメリカでは何をしても治らないような人が、受けることもありますが、大雑把に、恐怖を感じ難くしますから、正常な恐怖までも抑えられてしまうという危険があり、それを受けた患者が自殺してしまった例もあるし、そもそも過敏な人が受けられるような安全な方法でもありません。

強迫性障害患者の脳機能がSSRI認知行動療法で改善したという場合も、あくまで、不安の病気としての強迫性障害ですから、過敏性の強迫症患者のことではないのです。
過敏性強迫症の人達は、治らない患者に含められるか、そこにさえ含められません。
過敏性の病気なら、不安の病気ではないので、強迫性障害の治療としての実験や研究の対象にならないのです。

そういう理由もあって、強迫性障害には実際に敏感な人が多くいると分かっていても、実際には敏感でなくて、考え過ぎで敏感になっているだけとか、不安だから敏感になってしまうとか、敏感でも実際には神経には問題が無いとしてきたのです。

表向きはそういうことにしてきただけなのですが、そのことが分からずに、本当にみんなそうだと思っている人も多いのです。

神経過敏といっても、神経そのものには問題はないかもしれませんが、脳内の神経回路や脳内での神経を通じた情報の伝達や処理といったことを含めれば、神経過敏は神経に問題があることは十分に考えられます。

実際に、以前、ブログ書いた京都大学での脳の尾状核の研究結果なども、不安の研究なのですが、これは強迫状態の研究でもあります。
持続する悲観的な意思決定の源となる神経メカニズムを解明 -不安が頭から離れない原因とは-

http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/research/research_results/2018/180809_5.html
研究内容については、↑このリンク先のページの下のほうにPDFファイルがあります。
過敏性は不安だけの問題ではありませんが、今後、神経レベルで強迫性障害が明らかになったとしても、人間には難し過ぎて、過敏性を適度な状態に維持することができないのです。

器質的にストレスに弱いので、ストレスに強迫される症状が出るのですのですが、ストレス反応でも心因性ではなく、器質性ということなら、精神の病気としては扱い難くなります。

神経過敏での症状は、器質性だとはっきりしないという意味では、内因性とも言えますが、内因性の場合は、ストレスに関係しない病気であり、ストレス反応である強迫性障害は、内因性ではありません。
しかし、神経過敏=過度に敏感な状態=心の問題と考えるのは無理があり、過敏性は、考え方とか心理の問題でもないので、心因でもありません。
もちろん、考えに関わらないなので、神経質とも関係ありません。

過敏性の強迫症の場合、考え過ぎの神経質とか心因性の症状と違って、考えに関わらない生理反応での症状ですから、考えすぎではありませんし、もちろん妄想とかでもないので、内因性でもありません。

内因性というのは、自身の内側に問題があるが、心因性(心の問題)というわけでもないし、器質性とも言い切れないタイプです。
心因性の場合、少なからず、外界の影響を受けた症状が出ますが、内因性の場合は、症状自体も内因性であり、現実のストレスに弱いとかそういうことではなく、患者の内側だけの問題なのです。

例えば、妄想の場合、本人はそれを現実のことでの思いだと思っていますが、現実はほとんど関係ないのです。
妄想は頭の中だけのことで、現実に対する思考ではありません。

精神病というのは、基本的にはそういう内因性の精神障害という意味ですが、重い精神障害という意味もあります。

心因性精神病というのは、内因性ではない精神病(重い精神障害)のことですが、精神病自体は基本的に内因性(ストレスは関係ない)ですから、それと区別して、ストレス反応による精神病の場合は、心因性精神病と言い、神経質や神経症でも心因性精神病にはなります。

ストレス反応による精神障害は、心因性の病気ですが、そういうのは、心の問題(心理的な原因)という意味が強く、過敏性の強迫症状は、心の問題(心理的な原因)ではなく、過敏性の問題なので、ストレス反応であっても心因性ではありません。

妄想と、不安思考の違いは、現実と無関係の思考か、現実のことでの思考かどうかですが、心因性の不安思考(過敏性ではない思い込みの不安)などは、現実に対する心であっても、現実との結び付きが弱い=心だけの問題ですから内因に近いのですが、心理的な原因ですから、心因となります。

妄想も心ですが、現実に対する心ではないので、思考や思いとは言わず、妄想と言い、その場合、ストレスも関係ないので、心因性ではなく内因性ということです。

過敏性の強迫観念は現実に対する心ですが、思い込みの不安思考ではなく、過敏性により生理反応的に浮かびます。
ですから、外因性(器質性)精神障害で、症状が重い場合は、外因性(器質性)精神病となりますが、脳だけでなく、身体的な神経過敏も絡んでいれば、症状性精神障害とも言えます。
しかし、神経の過敏性は外側から他人が見れることではなく、その過敏性の強さも本人にしか分からないことですから、器質性と言い切れることでもありません。
原因がはっきりしないという意味では、内因とも言えますが、強迫観念は現実に対する心で、ストレス反応ですから、内因性ではありませんし、心の問題ではなく、過敏性の問題なので、心因性心因性精神病でもありません。

そのような区別をすることに無理がある病気なのですが、神経の過敏性=器質性ですから、外因性(器質性)精神障害と考えるのが無難ではあります。
ストレスで症状が出ますが、それは二次的な原因であり、一次的には器質性の神経過敏が原因です。
そのストレスが強迫観念として、内面に長く残り続けるという面では、ストレスに無関係な内因的な症状とはまったく逆で、内因性でも心因性でもないからこそ、治し難いし、重い精神障害という意味で=外因性(器質性)精神病にもなります。

しかし、心因性強迫性障害の人も多いのは確かですから、強迫性障害=器質性ということにもなりません。
現状では、どうして強迫行為をするのかというのは、診断基準的に関係ないので、心因性なのか、器質性なのかは、あくまで、人によるということです。

強迫性障害は多種多様な病気ですから、強迫性障害心因性であるとかではなく、今後は強迫性障害のどういうタイプがどうなのかと、考えることになります。

そうすると、強迫性障害はこう治しますとか、強迫性障害患者の脳を調べた言っても、どのタイプなのかが肝心なので、それを示さないといけません。

ですから、強迫性障害のタイプ分けをしないといけないのに、この病気は、いまだにほとんど理解されていません。
どういう症状が出るかは明らかですが、どうしてそういう症状が出るのかが、今で分かっていなかったのです。

強迫症状が出ていれば、なんでも強迫性障害にしてしまう現状は本当は良くありません。
神経質や思い込みだけの不安思考による強迫症状と、強迫性障害強迫症状は、表面的には同じでも、内面的にまったく違います。

しかし、一般的には、強迫観念は、神経質とか思い込みだけの不安というのが定義なので、それらを強迫性障害から除外することはできませんから、過敏性の強迫観念で強迫行為をするタイプが、強迫性障害ではないのなら、過敏性強迫症とか新しく病名を創らないといけません。

それができないなら、同じ強迫性障害としたままタイプ分けをすることになります。

強迫性障害は、大きく分けると、(強迫観念が浮かぶので強迫行為をする)強迫観念先行型と、(強迫行為を求めることで、それが得られない苦痛から強迫観念が浮かぶ)強迫行為先行型があります。
強迫行為先行型の人は、強迫行為を求める反動で強迫観念が浮かびますが、強迫観念先行型は、強迫観念があることで、強迫行為をしないといけなくなります。

強迫行為先行型は、以前は強迫行為主体型と書いていましたが、WHOの言っていた、主として強迫観念タイプ(頭の中だけで強迫行為をする人)と重なってしまうので、強迫行為先行型と呼ぶことにしました。

現状では、どうして強迫行為をするのかなんてことは関係ないので、神経質とか強迫行為先行型も(強迫行為があるので)強迫症に含まれますが、しなければならないことがあるから、強迫症なのではなく、どうしてそうしなければならなかいかでまったく違うのです。

頭の中だけで強迫行為をする人にも、強迫行為先行型と強迫観念先行型がいるし、皮膚むしりなども、吹き出物とかの違和感に耐えられないことでそうなってしまう人と、刺激とかスッキリ感を求めてそうする人と、無意味にそうしてしまう人がいますから、同じような強迫行為でもそうする原因は様々です。

強迫観念にもいろいろと種類があるというか、強迫観念自体がはっきりとは定義できませんから、神経質とか思い込みだけの不安思考も含まれば、実体験での不快な思いなども含まれて、何が強迫観念かが特定できないことで、そうなっているので、強迫観念と普通の不安思考や恐怖思考との区別もしないといけません。

次回以降、そういう説明をします。


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