強迫性障害の全貌

強迫性障害の知識の普及 Link Free

強迫症は心の感覚過敏/強迫性障害は治せる?治らない?

AD/HDの人が強迫症になりやすいのは、注意力がないこととか焦りやすいことで、ミスをしたり、実害を受けやすいからです。
ADHDであると、なかなかリラックスすることもできずに、気が休まらず、不安が増えていき、身の周りのいろんなことが強迫的に感じられるようにもなります。
そのためAD/HDの人は、HSC/HSPのように敏感になりやすいのです。
先天的に過敏である人も多く、何らかの事で害を受けると、ショックやダメージを強く受けますから、実害から身を守る意識が余計に強まります。
AD/HD+HSC・HSPの人は、元々不安が強く、強迫的な事に弱い傾向がありますから、強迫性障害になりやすいのは、必然的なことです。

強迫性障害の人は、過敏であるがゆえに、心の中のことも過敏に感じ取ってしまいます。
頭でそうしたいのではなく、心の中のことでも、感覚が現実的に反応してしまうのです。
心に対しても過敏反応しますから、病んだ心によって、さらにダメージを受けて心の傷が深くなり、その反復と持続で強迫症状が悪化していくのです。

誰でも嫌な体験をすれば、嫌な思いはしますが、その嫌な思い(考え、イメージ、感情など)にも嫌な思いをさせられる状態が反復持続してなかなか消えないのが強迫観念の性質です。

強迫行為は、完璧主義だから完璧を追求して徹底的に行われることではありません。
それは、トラウマ回避は完璧主義と言うことと同じぐらい愚かな考え方です。
強迫観念の苦痛を理解していません。
過敏でストレス耐性が低く、違和感に弱いことで、その苦痛を解消するために強迫行為は行われます。もちろん強迫観念も強い違和感なのですが、一般的には本当に些細なレベルの違和感にまで苦痛を感じるので、強迫行為が長くなってしまうだけです。
これは自分の意志というよりも、ストレスへの拒絶反応的な勢いで行われますので、生活の効率が悪くなろうが、社会的行動の障害になろうが、あらゆる理屈が通じずに、嫌でもしないといけなくなります。

違和感に弱いことで、ある意味、不完全感に弱いことにもなりますが、完璧主義のように完璧を求めるから、不完全に弱いのではなく、完璧は求めていないが不完全感に弱いことで、嫌でも完璧にしないといけなくなってしまうのです。
これが強迫観念による強迫行為です。
こだわりを求めていないのに、不安や恐怖、嫌悪などの強迫観念で、こだわらないといけなくなってしまうから苦痛なのです。
それが分からない他人には完璧主義的なこだわりに見えますが、実際に強迫観念が浮かばないことに対しては、不完全でもまったく気にしませんし、むしろ放置してどちらかというと完璧にしていないことのほうが多いので、完璧主義を含めて、強迫症状と性格の問題とは関係のないことです。
そういう性格だから、強迫症状が出るのだとしたら、その人は強迫性障害のような性格の人なので、パーソナリティ障害の範囲になります。
それと、強迫性障害は別なのですが、長らく一緒にされています。

感覚過敏や神経過敏によって強迫観念が生じて、それに過敏反応することで、強迫行為に繋がりますが、ストレスの除去にはエネルギーを使いますから、そこにも苦痛があります。
強迫行為自体も大変なのですが、意志とか気力と言うよりも、生理的拒絶反応などの力で、強迫行為が行われますから、心身疲れようが、頭でどう考えようが、どうしてもしないといけなくなります。

強迫行為としては、汚染による実害の対処(洗浄など)とか、確認のような危険回避(予防)とか、何らかの害を対処したり防ごうとする行為が多いのですが、強迫行為で対処できることが限られますから、強迫症状も限られているだけです。

強迫行為で対処できないことは、不快な思いを頭の中で振り払うとか、単に強迫観念が浮かぶことを回避することになりますから、強迫症状としては分かり難くなりますが、実際にはその他の様々な日常的なことが刺激となって、色々なことで強迫観念(不安、恐怖、嫌悪など)が浮かびやすい状態になっています。

嫌な思いが浮かびやすいとか、長く残って消えないと言うのは、強迫性障害の基本症状です。
子供の内は、目立った強迫行為が見られなくても、嫌なこと不安なこと怖いことが多いなどの簡単な症状として表れます。
段々とそういうストレスに思考が結び付くようになり、強迫症らしくなります。

過敏な人は、強い感情表現とか、パニック状態になったりすることにも弱いので、ストレスの強い状況でも強く抵抗したり、パニック状態になってストレス耐性を強めたりすることができず、ただ我慢することが増え、内に向かった感情によって、ストレス対象へのネガティヴな気持ち思考が活発になります。
考えたくもないことを考えてしまったり、思い出したくないことを思い出してしまいます。
そういう不快な思考を避けるために、他のことを考え始めたりもして、考え事が止まりません。

嫌な思いが浮かびやすいとか消えないと言うのは、神経が脆いとストレスをうまく処理できないからです。
ストレスをかわしたり、消化したりという力も弱く、ストレスをそのまま受け止めてしまうことになり、そのことで余計にショックやダメージが強まります。
その上、ストレスへの反応自体にも過敏反応が起こります。
現実にストレスの強いこととか嫌なことがあれば、その対象への不安、恐怖、嫌悪などが浮かびますが、そういう心の反応に対しても過敏反応してしまうのです。

不快な思考が思い浮かんでしまうのは、誰にとっても不快なことですが、強迫性障害であるとその不快な思考が強く長く残ってしまうので、それを解消しようと強迫行為をすることになります。
ですから、強迫観念を放置していれば自然と消えていくという考えは、強迫性障害の人の苦痛をまったく理解できていません。
苦痛の放置に耐えるストレス耐性があるのでしたら、そもそも強迫性障害にならないのです。
強迫観念と、普通の不安、恐怖、嫌悪などは違うことに気付くべきです。
そういった思いに過敏であることで、その不安、恐怖、嫌悪などが強迫観念化します。
強迫観念となれば、普通の不安、恐怖、嫌悪などよりも、強く長く残ってしまいますから、放置するということができないのです。
もちろん状況によっては、そうしないといけないことがあり、ストレスに抵抗したり回避することができなくて、ぐっと我慢して耐える状態が続くことで、強迫性障害が発症したり、悪化してしまうのです。

強迫性障害は、心の感覚過敏と言っても良いのですが、「心への感覚過敏」と「心の感覚過敏」は本当は意味が違います。
どちらのタイプも強迫性障害に多いのですが、心の感覚過敏というと、思考上の過敏で実際には過敏ではないことになります。

感覚自体は神経や脳を含めた肉体的な機能であり、本当の強迫性障害の人は、「心への感覚過敏」が強く、思考、イメージ、記憶、感情、気分といった内面的なことに実際に感覚が過敏であるため、その不快な状態が長く残ってしまうのです。

通常、刺激や情報は、感覚器官→神経→脳→心と伝わりますが、過敏であると、感覚器官→神経→脳→心のルートの全てに刺激や情報が伝わったまましばらく停滞して消えなくなります。

それが不快な情報であるほどそうなりますが、その情報を心でうまく処理できずに、心→脳→神経→感覚器官という情報伝達が逆流するような状態になり、体全体が心(思考、イメージ、記憶、気分、感情など)に長々と過敏反応します。

現実にも心にも過敏であることで、何かを見ると何かを思い出してしまうというように、現実の何かと不快な思考や記憶などが結び付いてしまうとか(関連付き強迫)、イメージの残像に現実反応してしまうとか(残像強迫)、些細なことでもトラウマになり、その記憶に強迫され続けたりもします(トラウマ強迫)。

トラウマによるストレス障害は、PTSDだけではありません。
PTSDの場合は、ストレス対象(強迫されること)がトラウマ記憶とかそれを想起させる物事などに限定されるので、PTSDの人が強迫性障害になりやすいことはないのですが、強迫性障害の人は様々なことに強迫されやすくなりますから、トラウマにもなりやすくなります。
PTSDというのは、基本的に神経が過敏とかではなく、普通の人に起こる範囲を前提としていますから、普通はトラウマにならないような体験、例えば、写真や映像などで見たことが原因でトラウマになっているとかは、過敏で強迫状態になりやすいからこそのトラウマなので、強迫性障害として治療します。

強迫性障害の人は、心が体に伝わってしまうことで、思考への現実反応として、表象幻覚や妄想的思考が起こります。
普通は気にしないことが異常に気になったり、普通は考えないこととか、普通はイメージしないことを、考えてしまったり、イメージしてしまいます。
これも自分の意志と言うよりは、何かを感じ取って反射的に考えてしまうのです。
普通は見えないものがイメージとして見えてしまい、それに現実反応して、そのイメージを現実のように扱います。
人によっては、視覚や聴覚などからの情報でも体が汚染される(見聞きした汚い情報が付着する)などの症状も出ますが、現実の何かが汚染源となっていて、それ(現実)によって汚れるのですから、幻覚妄想ではありません。
現実の何か(不安、恐怖、嫌悪などの対象)をイメージングしているのですから、妄想ではなく強迫観念なのです。

汚れる考えや汚れのイメージが浮かび、それに現実的反応をしますが、現実の何かの汚れが思考やイメージによって脳内で視覚化されるだけですから、非現実に現実反応している幻覚妄想とはまったく違う症状なのです。

心への感覚(心性感覚)が過敏であるために、心の中のことがリアルに感じられ、体が現実反応しますから、それを解消しようと、強迫行為をするのです。
心の中との事と言っても、元々は現実から取り込まれた情報であり、現実の何かですから、幻覚妄想のように現実から切り離されている非現実を現実だと思っているわけではありません。

簡単に言えば、それが現実と結び付いている現実のことなのか、現実から切り離された非現実のことなのか、それによって、強迫観念と妄想の区別ができます。
一般離れした思考内容でも現実のこととか現実の何かへの恐怖、嫌悪、不安などであれば強迫観念なのです。
ただ、それは普通の不安な思いとか恐怖思考と違って、ストレス対象から離れても反復持続し続けます。
それが強迫状態であり、慢性的に続く特徴があります。

そういうことを踏まえた上で、「心の感覚過敏」=「心への感覚過敏」という意味にして、「強迫症は心の感覚過敏」であるとします。


強迫性障害は治るのでしょうか?

そういう話もありますが、治しやすい強迫症を作り出して、その範囲であれば、治せますと言う意味です。
本当の強迫症は、置き去りにされたままで、治しようがありません。

ですから、過敏な人は強迫症にならないと生きて行けないのです。

解離や統合失調などの症状は、ストレスをうまく処理してくれる面もあるのですが、強迫性障害の人はそうなりませんから、自分で回避したり強迫行為で解消するしかないのです。

誰にでも不安や恐怖、嫌なことはあり、そういうことをなくそうとするから、余計に苦しむのだと言う考えがありますが、感覚過敏や神経過敏の人のことをまったく分かっていません。
過敏であると、不安や恐怖、嫌悪などを普通の人よりも何倍も強く感じてしまうのです。
普通の人が大して嫌じゃないこととか、むしろ楽しいことなどでも、不快な刺激になってしまいます。
苦しいから、それをなくそうとするのであり、なくそうとするから苦しむわけではありません。
誰にでも不安や恐怖や嫌悪はあるのですが、過敏であると、普通の人とは感じ方がまったく違うのです。
過敏な人の不安や恐怖、嫌悪などと、普通の人の不安や恐怖、嫌悪などを一緒にして考えることはできません。

神経過敏ではなかった普通の人が、強いストレスとか強い長期的ストレスで、ダメージを受けて神経過敏になってしまうことを神経衰弱などと言われていました。
普通の人が傷付かないようなことでもダメージを受けるようになり、強迫症などの精神障害になってしまう場合もあります。
元々は過敏ではなく、一時的なストレスやショック体験で、神経過敏になって強迫症状が出始めた人の場合、回復できる可能性もあるのですが、元々から神経過敏の人は、回復力が低いので、強迫症状もずっと続き年々重くなっていきます。

普通の人が傷付かないようなことで、深くダメージを受けてしまう状態が神経過敏です。
その上、強いストレスとか強い長期的ストレスを受ければ、当然のように強迫症などの精神障害になってしまいます。
日常のありふれたことが強い刺激となって、反射的に強迫観念が浮かび、その強迫観念にも過敏反応してしまい、なかなか消えなくなります。

そういう感覚過敏や神経過敏を切り離して、神経質が原因と言い出したのが森田療法で、これは実際には神経過敏ではないが、考え方の癖とか性格的問題で、神経過敏のようになってしまう状態です。
強迫行為主体型に含まれますが、これは一部の人であって、全てではありません。
森田自身が神経質の完璧主義者で超人志向がありましたから、悟りを得て完璧な理論を発見したように思い込んでしまい、療法の理論に都合の悪いことは不安になってしまうので、みんな神経質として、それさえ改善すれば治せると妄想的に思い込んでしまいました。

多くの精神障害に言える事ですが、一部の人に当てはまるから、他の人達もそうということにはなりません。

統合失調症にしても、発症しやすさに程度があって、ストレスに関係なく発症する人もいれば、ストレスが原因で発症したり、ストレスで再発することもあります。
そういう人の脳を調べて、どこかか活発になっているからと言って、脳機能に問題があるとは言い切れません。
陽性症状がプラセボ薬でも抑えられる人もいることは認められています。
心理的な問題で過剰に興奮して妄想状態を悪化させている人もいるからです。
逆に脳機能に問題があってそうなりやすい人もいて、脳機能と精神症状の関係は、にわとりか卵かどちらが先かのようになります。

神経質だから強迫症状が出る人もいますが、それは強迫症そのものと言うよりは、神経質による強迫症状なのです。この範囲は病気ではない人です。
病気の強迫症は元々から神経過敏症状であり、森田の言う神経質とは関係ありません。

実際に過敏でストレス耐性が低いのですから、不快なことへの反応やそれによる行動をコントロールするのは困難です。
認知行動療法でも(患者がそうしない限り)できません。
認知行動療法を行う側が治せるなどと思ってしまうと、他人の思考や行動をコントロールしているように錯覚して、自分が特別な人間であるように思え、教祖化してしまいます。
そしてその理論やテクニックを布教しようとしますが、実際の強迫症は置き去りにされ、その理論で治せる範囲をすべてであるかのように言いふらします。
そのビジネスの元祖が森田療法で、強迫症に対する偏見と誤解を振りまきました。
認知行動療法も、同様にビジネス化されていて、森田療法と同じことをしていますので、注意してください。
彼らは古い教科書を読んだだけであり、理解できる範囲のことしか分かりません。
健康人(神経質)の強迫症状にはある程度効いても、病気レベルだとまったく役に立ちません。

曝露反応妨害はストレス耐性の低い強迫症患者にとっては、嫌がらせに過ぎず、その体験がトラウマになって、余計に症状が悪化するだけです。
こんなので治るのなら、強迫症と言うほどの病気ではなく、不安症や恐怖症の人です。

物事の感じ方は人それぞれで、普通の人が大丈夫なことでも、感受性が強いと不快な刺激になったりもします。
それが思い込みとか欲求的な反応であれば、変えられることもありますが、実際の神経過敏で不快に感じることは、人からどう言われようと平気になったりはできないのです。

肌に例えると分かりやすいのですが、本当に敏感肌の人は、ずっと敏感肌であり、鍛えようとすれば、簡単に傷付いて、余計に敏感肌になってしまいます。

他の例えとして、極端に免疫機能の低下した病気の人は、それなりの治療環境にいないと、普通の人ならならない病気に簡単になってしまいます。

感覚や神経が過敏であることも似たような状態で、それを普通の状態にするのはなかなか難しいことです。
願望や欲求的なこととか、実際には起こらないことへの不安であれば抑えやすいのですが、実際の何かへの恐怖や嫌悪などは人からどう言われようと、頭でどう考えようとなかなか変えられません。

一般的な説明には、強迫性障害はこういう性格とか考え方の癖があるとか知ったように書いてありますが、強迫性障害のタイプ分けも知らずに、憶測とかデタラメで書いているだけです。
こうすれば治せるみたいな話も強迫性障害自体を理解できずに、なにを治せると言うのでしょう。

普通の人が普通の基準で考えて、こうすればいい、ああすればいいと言うのは簡単ですが、こうしていないから、ああしていないから病気になったわけではないし、それができない病気の人に、それをすればいいと言うのは頓珍漢な話で、それができるならとっくにしているわけです。

一般的な説明には、「かもしれない」という不安が強迫観念であると書かれていますが、それは単に不安な思いに過ぎません。
強迫観念の対象としては「かもしれない」という程度のこともありますが、不安自体は「不安かもしれない」ではなく、実際に不安なのです。
恐怖や嫌悪は「怖いかもしれない」とか、「嫌かもしれない」ではなく、実際に怖かったり、嫌なのです。
神経過敏な人は、そういった不快な思いや感情自体に過敏反応して苦痛が増倍します。
その過敏反応と結び付いた思考が強迫観念ですから、普通の不安な思いと違って、不快感、反復性、持続性が強いのです。
強迫観念の場合、強不安、強恐怖、強嫌悪になっているのです。
それは鈍感な人にとっては何の刺激もないので、なかなか理解できない人が憶測で強迫症状を勘ぐっているのです。

強迫行為をするから、強迫観念が浮かびやすいとか、強迫行為をすればするほど悪化していくという考えも、根本的なことが理解できていません。
現実のストレスとか、それと結び付いている強迫観念が苦痛だからこそ、強迫行為をするのであり、強迫行為をするから、苦痛を感じやすいわけではありません。
強迫行為をしなければ、余計に苦痛が続いて、気が滅入ってしまうだけです。

強迫観念を放置すればいいと言っても、それができるなら、よっぽど軽い強迫観念であったり、そもそも強迫観念ではなく、普通の不安、恐怖、嫌悪などの思いに過ぎません。

このブログ以外では、強迫性障害のタイプ分けもされていないし、されていたとしても間違っています。
強迫的に「しなければいけない」といっても、依存症的に欲求や願望にとらわれたり、完璧主義的なこだわりにとらわれて、「しなければいけない」行為と、現実のストレスとか、それと結び付いている強迫観念に強迫されて、「しなければいけない」行為は、苦痛の度合いも内容も全然違うのです。
今までは、そういう違いに気付けずに、同じ強迫症状として誤解されてきましたので、このブログを参考にタイプわけしてもらえればと思います。

強迫症は、簡単に言うと、嫌なこととかが普通の人よりも何倍も嫌に感じる病気です。
ストレス耐性が低いのですから、それに耐えられません。
ですが、この感覚は普通の人は持っていないので、説明しないと分かりませんし、説明しても鈍感な人にはほとんど理解できないかもしれません。

嫌なことを平気にするというのは健康な普通の人でも難しいので、その嫌悪感を強く感じる神経過敏の人には、ほぼ不可能に近くなります。

鍛えるとか慣らすという考えは、健康人向けで、病人には有害になります。
普通の人とか、鈍感な人から、嫌なことを無理強いさせられないように注意してください。
彼らはそれがそれほど嫌ではないし、もしくはまったく嫌ではないからできるのです。
その感覚に無理に合わせていると、強迫症状が重症になっていきます。
鈍感な人には、強迫性障害の人の感覚や内面の状態などまったく理解できていないのです。

強迫症の症状自体を一番良く分かるのは患者本人ですが、どうしてそういう症状が出ているのかがよく分からない人もいます。
ただ、感覚過敏や神経過敏であれば、当然、そのことを一番良く分かるのも本人ですから、過敏ではないと思える人は、過敏ではありません。
完璧主義的なこだわりで強迫症状が出る人は、むしろストレスに強く、有能な人も多くいますが、強迫観念主体の人は、社会的なこととか学業などもストレスになって、社会的能力が低かったり、学業が苦手な傾向があります。
ストレスに弱いことで、やや頭も弱いのですが、極端に学業ができないわけでもないので、ストレスに弱くても普通の子として生きないといけなくなり、様々なストレスで潰れて精神障害になります。

元から神経過敏だったとしても、後からそうなったとしても症状自体はほとんど変わらないはずですが、元から神経過敏の人は治し難くなります。
発達障害は子供の頃からの症状ですが、後天的な発達障害もあり得ます。
大人になってから、脳機能の低下とか、それまで無理していたことを神経過敏が悪化してできなくなって、発達障害のような症状が出るようになったとしても、それほどおかしなことではありません。
そういう人も精神障害になりやすくなります。

過敏であると強迫観念も強迫行為もストレスになり、しかも非効率ですから、日常や社会での障害になります。
普通の人が気にしないことでも、強迫症であるとどうしても気になります。
そのため、強迫症の人は何事にも時間がかかります。
何かをしようとすると、強迫観念が邪魔をして、何かをし始めれば、また強迫観念が邪魔をして、それをするのに人一倍時間がかかるのです。
普通なら簡単なことをするにも、非効率で気苦労が多くなり、エネルギーを消耗しますから、するべきかどうかでも悩んで、なかなか取り掛かれなくなります。

しかしその強迫症状がさらに大きなストレスから自分を守っているので、神経過敏でもなんとか生きているわけです。
もし強迫症状が起こらなかったら、解離が起こったり、気が狂ったりする可能性もあるのですが、現実の刺激に過敏であることで、現実逃避が起こらず、強迫症のままなのです。
神経過敏症状でもある程度は狂ったようにはなりますが、支離滅裂になったり完全に発狂することはなく、まともな面も維持されます。
そのまともな面で感じる苦しみを回避しようと、解離や統合失調が起こる人もいますが、強迫性障害であると、過敏であるからこそ、現実逃避ができずに、ストレスをかわす現実逃避的な精神症状が起こりません。
そのかわりに悩み事とか現実のストレスと直撃してしまうので、いちいち強迫行為をしてストレスを対処したり、回避しながら生きることになります。

軽症であれば別ですが、重度の強迫性障害で社会的に活躍している人はまったくいません。
ストレスに弱いと、日常生活の最低限のことでも精一杯になって、社会的なことができなくなってしまうのです。
体質的な神経過敏は不可逆な障害で、治す方法もありませんから、強迫症の人は強迫症状と付き合っていかないといけません。

強迫症状があるから(強迫行為で守りながら)なんとかできることもあるのですから、神経過敏の人にとっては、あったほうが良い症状であり、その症状が障害にはなりますが、強迫行為をしなくて、なんにもできなくなってしまうよりは増しなのです。
特に社会の中では強迫行為でストレスを防ぐべきです。
それでもできないなら、耐えられないレベルのことですから、心身のために、やらないのが一番です。

というより、悪化するとそういうことができなくなりますから、自然と無理のない適切な生き方ができるようになっていきます。
そこまで行って、やっと少し回復方向に向かえるのですが、元々無理をしていただけですから、強迫症状が治ることはありません。
それがあるから、過敏でも生きられるのです。

感覚過敏とか神経過敏を抑える薬はあるのですが、適度に調節することが難しく、心への感覚過敏に効く薬も、あることはありますが、日常使用できません。
これが今後の課題です。

 

#強迫性障害 #発達障害 #感覚過敏 #神経過敏 #トラウマ #PTSD #複雑性PTSD #汚染恐怖 #不潔恐怖 #HSP #HSC #OCD #強迫観念 #強迫症 #ADHD #うつ病 #恐怖強迫 #感染恐怖 #身体醜形障害 #潔癖症 #醜形恐怖症 #HSCHSP #敏感気質 #異物恐怖 #パキシル #レクサプロ #ジェイゾロフト #パロキセチン #自閉スペクトラム症 #病院恐怖 #強迫性障害症状 #強迫性障害原因 #HSPHSC #強迫性障害とは