強迫性障害の全貌

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強迫性障害は尾状核の機能障害なのか?

持続する悲観的な意思決定の源となる神経メカニズムを解明 -不安が頭から離れない原因とは- — 京都大学

くわしい研究内容については、↑このリンク先のページ↑の下のほうにPDFファイルがあります。

簡単に言うと、脳の尾状核にネガティブ回路とポジティブ回路があって、ネガティブ回路を電流で刺激すると、嫌なことを過剰に繰り返し気にして(悲観的な意思決定が持続して)、回避が増えてしまうみたいな。
これは、強迫性障害とかうつ病の病状と似ています。

この研究で良いところは、強迫観念というのは、嫌な思いが継続してしまうことで、強迫行為は、単にその嫌な思いを解消するための行為であることが分かっていることです。

実際に、強迫性障害の強迫行為、強迫性の行為は、完全主義的な「こうしなければならない」というこだわりでもなければ、依存症的な「しなければならない」でもないのです。

強迫性障害の反復性、継続性というのは、あくまで強迫観念です。嫌な刺激、嫌な情報、嫌な思い、嫌な記憶を過剰にいつまでも気にしてしまい、頭(脳内、心)にずっと残るのです。
場合によっては、ちょっとした嫌な感じとか違和感とかもすごく気になってしまいます。
そういうのが簡単には振り払えずにずっと残ってしまうので、解消するために強迫行為をしないといけなくなります。

強迫観念が浮かび難くなれば、自然と強迫行為も治まるのですが、強迫観念は脳内のことでよく分かり難いので、強迫行為を我慢してしないようにするという考えがはびこってしまいました。
それは強迫行為依存症(強迫行為主体)の治療とも言えます。そういう人は治せても強迫観念主体型の強迫性障害は、思考、精神、脳機能、そういう方面が問題なので治療が難しいのです。

強迫行為は日常や社会の中で大きな障害になりますが、それ以前に、本来の強迫性障害は強迫観念の病気だということを忘れてはいけません。
不快なことを過剰に嫌悪したり、心配事が頭を占領したり、嫌な思いや嫌な記憶が継続的に繰り返される、脳機能方面からそういう研究はできる人が限られるしお金も時間もかかりますから、研究結果が少ないのは無理も無いのですが。

尾状核のネガティブ回路が一旦刺激されると、その刺激がなくなってからもネガティブ状態が長期的に継続してしまうそうです。
逆に、ポジティブ回路を刺激すると嫌なことを気にしなくなれるそうです。
ただそのポジティブ状態がどれぐらい持続するかは未研究とのこと。

尾状核のネガティブ回路とポジティブ回路をコントロールできることになれば、強迫性障害もコントロールできるかも、という話です。

もちろん、あんまりポジティブ過ぎてもそれはそれで精神障害になり、正常な範囲の不安や恐怖まで抑え過ぎればとんでもないことになります。
その適度なバランスを取るっていうのは、技術的にかなり難しいかもしれません。

こういう研究も治療に繋がらなかったらあんまり意味がないのですが、研究者はそこに向けて意欲的な感じですから、今までの治療方法で治せなかった人にも一筋の希望の光が照らされたわけです。

いつかは分かりません。きっと遠い未来の治療方法は、脳の外部から尾状核の回路を調整する感じかもしれません。


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