強迫性障害の全貌

強迫性障害の知識の普及 Link Free

強迫性障害の人はどう生きればいいか。

強迫症の人の特徴として、嫌なことがあるとその記憶とその時の感情がずっと頭から離れなくなってしまいます。
そしてそれに関連する物事を拒絶、回避するようになります。
数時間であれば良いのですが、何日も、何年も、場合によっては、ほぼ一生それが続きます。

そういう意味では、強迫症だとPTSDの症状も出やすくなり、それが治り難いことになります。
PTSDとの違いは何度か書きましたが、強迫症の人は普通の人が傷付かないような些細なことでもショックを受けトラウマ記憶になってしまうことです。

PTSDにはトラウマのフラッシュバックという症状がありますが、目の前にありありと現れるような幻覚様のフラッシュバックが起こる人は、現代ではほとんどいません。
通常は、トラウマ関連の物事などで刺激され、頭の中でその記憶が強く想起されるだけです。
嫌な記憶、恐怖体験の記憶の想起も当然、強迫観念になり得ますが、PTSDの場合、トラウマ関連の物事の回避以外には強迫行為的な症状が出ません。
強迫性障害だと、トラウマ記憶が想起されることで、トラウマ回避以外の強迫症状も出たり、トラウマ関連の物事で汚染されたりもします。

PTSDも治り難いのですが、元々、特別に強迫観念が浮かびやすいという脳ではないので、程度によっては自然に治る人もいます。
強迫性障害の人の場合、強迫観念が浮かびやすい、それが消え難い脳になっていますので、トラウマ症状が治ることはめったにありません。

強迫観念が浮かびやすいと、頭の中が嫌な思いで一杯になってしまうのですが、強迫性障害の人が特別に幸福への欲求が強いとか、生存欲が強いとか、そういうことではなく、むしろ嫌なことにとらわれて、そういう前向きな気持ちにはなれないのです。
基本的に、些細な違和感にも弱いので、当然、不快な刺激には耐えられず、強迫観念を含めて、嫌なこと全般を気にしないことができなくなります。
軽症の人であれば、ある程度は気にしないこともできるし、強迫観念も放置していれば、自然と消えるという場合もありますが、中程度以上であると、それができない、できないので、精神障害なのです。

強迫観念が浮かびやすいのは、強迫性障害だけではなく、うつ病でもそうなりますが、強迫性障害の人は中程度以下であれば、気力、元気などがある人も多いし、単に、うつ病という場合は、気力、元気がなくなってしまうことにより、ネガティヴ思考になっている状態なので、強迫性障害で見られるような強迫症状は起こりません。
強迫性障害では、気力、元気がなくなってしまうことで、強迫観念が浮かびやすいわけではなく、強迫症状が続くことで、社会的、日常的ストレスも多くなり、その状態でも、強迫行為をしないといけないので、心身がいつも疲れて気力、元気もなくなり、ネガティヴ思考になり、より一層、強迫観念も悪化したり、妄想のようになったりもします。
強迫性障害が重症になってくると、前向きな思い、前向きな行動ができなくなり、うつ病と同じようになりますが、重症の強迫性障害と、抑うつ症状は、ほぼ一体で、どちらかだけ治すことは困難です。

うつ病での苦しみ+強迫性障害での苦しみ+トラウマによる苦しみ=重症の強迫性障害
という複雑な状態になりますので、治療が難しいのです。
通常は、年々重症になりますが、トラウマ的な強迫観念がある場合は、ほぼ最初から重症で、最初から難治です。

強迫性障害であると、恐怖回避、危険回避が強まりますので、生きることが苦しくて、そこから逃げたくても強迫観念が自殺をさせませんので、ある意味、安全で最低限のことしかできなくなって、どんなに辛くても逆に長生きしてしまうことが多いのです。
必然的に、無駄の多い人生、意味の無い人生、冴えない人生になります。

ただ、悪化を防ぐための保護的治療というのもありますので、できる限り早く治療を受ければ、少しは実のある人生にできるかもしれません。
強迫性障害は本を読んだぐらいでは治せませんが、前向きな気持ちになれることに取り組めるのであれば、そのほうが良いに違いありません。
それができない病気ではありますが、何か無いかと探してみる、少しでも取り組んでみる、何をすればいいかは、人それぞれですので、それを自分で考えたり、行動することで、自分の脳や人生も変わって行く可能性はあるのです。


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