強迫性障害の全貌

強迫性障害の知識の普及 Link Free

強迫性障害の妄想的思考

強迫性障害の人は完璧主義という説明をする人がいまだに多いのですが、主義というのは、自分の意志でそうするのです。
強迫性障害に置いては、自分の意に反する思考や、違和感、不安感、不快感などによって完璧を求めていないのに、完璧にしないといけない状態ですから、主義という言葉は不適切であり、不完全恐怖、不正確恐怖や完全強迫などと言うべきです。

強迫性パーソナリティ障害の人は、事実、完璧主義者の傾向が強く、「こうしなければならない」というルールを作り、自己や他者に対して強迫的にそれを守らせますが、強迫性障害の人は強迫に弱く、強迫観念に耐えられませんので、それを抑えるために、そうしたくなくても、しなければならないことができてしまいます。

強迫性パーソナリティ障害=強迫的な人格の人=自己に強迫的な考えを向ける。

強迫性障害=強迫に弱い人=自己に強迫的にはなり得ない。強迫的なことは避けようとする。

強迫性障害の場合、面倒で、時間の無駄であることを自覚しているので、やらずに済むならそうしたいのですが、それをしないと嫌な思いとか、実際にある嫌なことが消えないので、どうしてもするしかないわけです。
その状態で人と共同生活などをすれば、ある程度、巻き込みが起こるのは避けられませんから、多くは一人暮らしを求めるのです。
特に汚染恐怖が強いと、家族とも誰ともうまく関われなくなります。

強迫性障害の人には思っていることが実現するという万能感があるという説明をする人がいますが、実際に万能感がある人なら悪いことは防げると思えるし、悪いことを思ってもそれは実現しないと思えるわけです。
なので、万能感が強ければ、悪い思いが浮かんでも気にしないし不安になりません。

強迫性障害の人は、強迫観念が自分の思いに関わらず浮かんでしまうので、悪いことに対して、自分が防ぎたいと思っても防げないのではという無力感が強いので不安も強まるのです。
自分の力ではどうにもできないという無能感です。これは、うつ病とも共通します。

万能感が起こりやすいのは、強迫性パーソナリティ障害の人とか、躁状態の人であり、それらと強迫性障害や、うつ病は反対に位置します。

過剰思考、過剰活動といっても、躁状態強迫症状は大きな違いがあることを以前書きました。

躁状態は気分が高ぶって活動的になり、自信に満ち能力感や解放感がありますから、心配が減り危険を顧みない状態になります。
その症状は、躁状態うつ状態で周期的に起こるとされています。

強迫症状でもある意味気分は高まりますが、嫌悪や恐怖、過剰な心配などでそうなります。自信、能力感、解放感といったことは消えますから、不安が強まり、危険回避が過剰になります。
強迫症状は、日常の小さなことでいつでも起こりえます。
通常、強迫観念は反復的に繰り返し浮かびますので(反芻思考)、強迫行為も繰り返されます。そういう周期があるのではなく、慢性的な症状です。

そのように躁状態強迫症状は、まったく違う症状で、強迫症状が強いほど、躁状態にはなりにくいのです。

ただし、行動として躁状態にならないだけで、脳内の思考(イメージ)は躁状態のようになってしまうことは考えられます。
それが表面化しないようにブレーキをかけているのが、強迫症状です。

強迫性障害が精神病を防ぐという説があるのは、強迫症状が強いとその分、異常に理性も強まり、精神病者がするようなことは恥ずかしくてできないし、それをすることに強い拒絶感があります。

うつ病が併存して気力が出なくても強迫行為をしないといけないように、ほぼ精神病者寸前の状態になろうと、強迫症状はそれよりも強いので、精神病症状は表にはほぼ出られなくなります。

頭の中の思考が妄想的になったりはしますが、その分、強迫症状も強固になり、妄想ではなく、妄想的思考や妄想的強迫観念に止まります。

妄想もほんとうなら強迫観念なのですが、自分の思いだと気付けない状態なので、妄想なのです。それは多くの場合、非現実的であり得ない内容です。

強迫観念は現実的であり得る内容が多く、妄想的思考というのは、一般の人なら考えないが、まったくの非現実ということでもない内容になります。

同じ強迫性障害でも感覚が過敏かどうか、想像力が強いかどうか、そういったことで、症状の表れ方も違ってきますから、妄想的なイメージが浮かびやすい人もいれば、現実的なイメージしか浮かばない人もいるし、イメージというより感覚的に違和感などに敏感で症状が出る人もいます。

妄想的思考があるから強迫性障害から除外というのは間違いです。

妄想的思考というのは完全な妄想状態ではありませんから、当然、強迫観念になり得えます。それによる強迫行為も起こりますから、強迫性障害そのものです。

ただ現実的な妄想というのも本当はあるし、自分のイメージだと思っているが、本当はそうではなく真性の妄想という場合もありますから、そういう妄想と妄想的思考は区別が難しいです。
結局、表向きの症状で判断するしかありませんから、強迫症状が目立っていれば、躁状態や陽性症状は表立っていないはずなので、強迫性障害での妄想的思考と言えます。

 


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