強迫性障害の全貌

強迫性障害の知識の普及 Link Free

強迫症と統合失調症は、狂気が内側に向かうか、表に出るかの違い

強迫性障害であると危険回避的になり、狂気は内面に抑えられ、発狂しません。
ただし、内面に向かって発狂することになり、思考、イメージが歪み、心が病みます。
内面世界に置いて狂人になりますが、そこでも狂気と正気がきっちりと分断され、現実面に置いては「きれい」と「きたない」なども一緒にできなくなります。
表に発狂しないことで、現実を把握することができ、理性的でまとまりのある思考や言動ができるのですが、内側への狂気が、まともな思考を幻覚的妄想的な思考に変えて、これが強迫観念を重くします。

感受性が強く、些細な違和感や刺激にも過敏になっているので、一般的にはあり得ないレベルの低刺激なことでも、強い恐怖や不安や嫌悪を感じます。
人の表情や態度、言葉使いなどにも敏感ですが、感受性が強過ぎて、一般的には普通レベルの言葉使いや態度でも、強迫的に感じて、傷付いてしまうことになります。
そのことで、妄想的な考え(過剰反応による思考)も増えます。

統合失調症では狂気が表側に剥き出しになり、幻覚妄想状態になります。
現実的な思考が難しくなり、言動に統合性がなくなります。
表に発狂することで、興奮状態になり、理性や共感力が弱くなり、他人のことなども含め、現実のことがよく分からなくなります。

強迫症でも統合失調症でも現実的なことがうまくできなくなります。
統合失調症の場合は、やり方自体がうまく分からなくなりぎこちなくなりますが、強迫性障害ではやり方は分かっていても強迫観念や強迫感覚(違和感など)が邪魔をして過剰に慎重になったりやり直しが増えたりして時間がかかるようになります。
特に汚染恐怖があると汚れの表象幻覚(幻覚的イメージ)に思考や行動が振り回されることになって、汚染対策や準備に時間がかかったり、するべきことにまったく取り組めなくなったります。
洗えないものが継続使用できなくなり、身近で一般的な「紙」や紙製の物もうまく扱えなくなります。
普通の病気の患者さんが簡単に普通に使えるお薬手帳なども使用困難になります。

強迫症は本来は何かが分からなくなってしまう病気ではありませんが、強迫観念が正常な思考の邪魔になり、物事が分かり難くなってしまう面もあり、その傾向が強い人も、やることが緩慢になります。

強迫性障害の人は、主に思春期の頃、元々の感覚過敏が悪化し、ストレスに弱くなります。
防御的に、反社会的で凶暴な攻撃的イメージが浮かびやすくなり、それをグッと堪えて我慢することで、強迫症状が出始めます。
なので、思春期の発症が多いと言われていますが、それはストレスによる二次的な発症で、ほんとうはそれ以前から強迫症になっているので、強迫症状により、思春期の頃の狂気的な思考も表に出ないようにブロックされるのです。
そのことで精神が病み、ノイローゼになり、益々感覚過敏が悪化し、一般的には些細な刺激でも傷付くようになり、怖い思い、嫌な思いをすることが多くなります。
その恐怖や嫌悪を消化するために、強迫行為が目立つようになります。

強迫症の人は、幼少期からいろんな刺激に敏感で、怖い思い、嫌な思いを一般の人よりも持ちやすいのです。
身の回りのことが強迫的に感じられ、人によっては幼稚園や保育園、学校に行くことなども強いストレスになります。
そういう場での集団行動や人との関わりが、ストレスになりやすく、あまり人に関わろうとしなかったり、人ごみを避けて、引き篭もる人もいます。
引き篭もりや不登校などは、強迫症状としての回避の場合が多いのですが、いろんなことに過敏反応してしまうストレスを回避したいだけです。

幼少期や児童期では、現実と空想の区別があいまいになりやすく、ほぼ妄想状態に近くなっていることはよくあることですが、脳がまだ発達していないからであり、それ程異常ではありません。
大人になってくると、妄想的にならなくなったり、妄想的になっても、そうではないかもしれない、過剰かもしれないという気持ちも持ち合わせるようになります。
思春期はその中間で、強迫症の人はずっと子供の頃のような脳になっています。

強迫性障害の土台には発達障害があるというのが現代的な考えです。
実際に、強迫症でAD/HDの人は多くいますが、AD/HDというのは、強迫症になりやすいタイプの発達障害児の一面でしかなく、どういう発達障害が土台にあるのかはまだ分かりません。
おそらく、知能的には、特殊学級に入れるほどでもないが、学力はやや弱い人が多いかもしれません。
学習行為や学校と言う場がストレスになってしまうからです。
HSC/HSPをもう少し過敏にしたような子が多いのではと思います。

自閉症の子に見られることが、強迫症でも見られることがありますが、強迫症の人は、危険回避により、完全には自閉されませんので、自閉傾向はあっても、自閉症ではないはずです。
人の気持ちが普通レベルに分かるし、周りからどう思われるかを気にして、人と違った行動、例えば、学校生活に悩んでも、自主退学や転校などの特別なことがしにくくなります。
悩んでいてもそういう相談をしようとしません。

イジメられていて学校に行きたくなくても、行ってしまう、そこで強いストレスを受け続けても、過敏性から攻撃的になれず(攻撃が表に出ると自分が傷付いてしまう)、反抗できずに、それに耐え続けてしまうという状態になります。
このようなことでの怒りなどのネガティヴで攻撃的な気持ちを内側に、抑圧してしまうことで、自己の精神がダメージを受け、本格的に強迫観念が浮かびやすくなります。
その強迫観念を強迫行為で消化することで、なんとか正気を保てるのです。

強迫症強迫症になりやすい脳の人がストレスで発症すると考えられますが、実は、ほとんどの人は発症する前から、強迫症になっているのではと思います。

感覚過敏は何らかの強いストレスによって、後天的にそうなってしまう人もいますが、そういう人でも、多くの場合、生まれつきにその傾向があり、いろんなことにストレスを感じやすいのではと思います。
気質と言うか体質みたいなものですから、頑張れば治せるようなことではありません。

感覚過敏があって強迫症になったタイプの人は、引き篭もるようになります。
引き篭もれば治るかといえば、一般的には些細なことでも、強い刺激を受けてしまいますので、引き篭もっても日常的なことが刺激になってしまいます。
その上、恐怖症と違って、強迫観念は環境を変えても繰り返し浮かび続けます。
社会に出れば、その数倍の苦しみがあるので、引き篭もるわけです。

強迫症状は発狂を抑えますが、その分、内面の思考世界が精神病のようになります。
表向きはまともに見えますが、思考は妄想的になり、イメージは幻覚のようになります。
それで、昔から強迫症を治すと統合失調症になってしまうという説があります。

統合失調症はそれになりやすい脳の人しかならないという説で考えれば、強迫症を治しても統合失調症になりやすい脳でないのなら、統合失調症にはなりません。

もし脳機能的に、強迫症状が統合失調症(精神病状態)の発症を抑え込んでいるのであれば、強迫症状だけを治そうとしても治らないはずです。
内面に統合失調症があるから強迫症状が出ているとしたら、その強迫症状は、内面に統合失調症があることによる症状なのです。
つまり、二つで一つ、表と裏の関係で、本当は統合失調症強迫症状であるが、その強迫症状が統合失調症を抑え込んでいるので、表向きの症状だけ見れば、強迫性障害に見えるという病態です。

統合失調症は精神病ですが、強迫性障害は本当は精神病ではあるが、それが表に出ないので、精神病ではないという特殊な病気なのです。
それに最適な病名を付けるとすれば、境界型強迫症でしょうか。しかし、そんな病名にしなくても強迫性障害がボーダーであることは、昔から知られていることです。
そうではない人も確かにいて、そういう人も強迫症なので、そういう病名にはならないのです。

ただ、今後は強迫症もいくつかにタイプわけされて研究されるのではと思います。


#強迫性障害の症状 #発達障害 #感覚過敏 #神経過敏 #トラウマ #PTSD #複雑性PTSD #汚染恐怖 #不潔恐怖 #HSP #HSC #OCD #強迫観念 #強迫症 #ADHD #うつ病 #フラッシュバック #恐怖強迫 #感染恐怖 #身体醜形障害 #潔癖症 #醜形恐怖症 #エビリファイ #HSCHSP #敏感気質 #異物恐怖 #パキシル #レクサプロ #ジェイゾロフト #パロキセチン #自閉スペクトラム症 #病院恐怖 #強迫性障害症状 #強迫性障害原因 #HSPHSC