強迫性障害の全貌

強迫性障害の知識の普及 Link Free

マスクは作れる/レシートブロックで感染対策/病院に行くのが怖い人が増えている

普通の人にはなんてことない刺激も、強迫症の人にはダメージが強く実害になってしまう。

強迫性障害であると、過敏でストレス耐性が低く、神経に触れることを避けてしまいます。
普通の人はまったくストレスにならないことが強いストレスになって、普通は汚れないことでも実際に汚れてしまうことを理解して欲しいのです。
それは気のせいとか、考え方の問題ではなく、感覚とか感受性の違いなのです。

普通は害にならない程度のことも、強迫症の人だと重大になってしまうという意味では、コロナも同じです。

普通の風邪の何割かもコロナ風邪ですから、新型コロナも普通の健康な人にとっては、多くの場合、喉より上の感染で、普通の風邪とほとんど同じで、感染しても何ともない人だって多いのです。
軽症な分、感染も広がりやすいので、全体の何割かの体の弱い人にも感染しやすくなり、免疫力の低下したハイリスクの人は喉より下まで感染してしまうので、そのことが問題なのです。
普通の人にはなんてことないのに、全体で考えると、そうとも言ってられないというジレンマがあるのです。

外出自体を控える人が増えて、日用品や食品を除いては、基本的に小売業の売り上げは減っているようです。
店員さんも感染恐怖の中にいますから、マスクが買えない人は心配も強いのではと思います。

今は服よりもマスクが売れるのに、なぜアパレル業界はマスクを作らないのでしょう?
ガーゼや布製のマスクなら、一般人でも簡単に作れるし、洗って繰り返し使えますから、最近は手作りマスクをする人も増えてきました。
アパレル業界の場合、臨機応変な生産が困難なこともありますが、ファッションアイテムとして工場生産すれば大量に作り出せます。
例えば、商品を5000円以上買った人には、その会社のブランドの特製マスクを一枚プレゼントとかすれば、服も売ることができます。

ガーゼなどのある程度息がしやすい布とゴムひもがあれば、マスクの作り方は簡単です。
構造は普通のガーゼマスクのように作ればいいのですが、端を縫うのが面倒なら、布用の接着テープや接着剤でも止められます。
おそらくオークションなどでそういうのを売っている人もいるかもしれませんが、ハンカチやバンダナなどで口を覆うぐらいなら、それにゴムひもさえ付ければマスクになります。
素材によっては効果は低いですが、マナーは守れます。

前回、お金に付いている汚れの話をしましたが、近年は、セルフレジとかカードの使用が多いとはいえ、大抵のお店では現金も扱うことになります。
みなさんはレシートブロックをご存知でしょうか?
レジの人がお釣りを渡す時に、レシートの上に硬貨を置く方法です。
これはお客さんにレシートを受け取ってもらうために始まったと言われますが、レジの人の指先がお客さんの手のひらに触れないようにとの配慮もあるのです。

昔から日本では他人に気安く接近したり触れることはマナー違反とされてきました。
ハグなどもしませんし、通常、握手もしません。会釈とかお辞儀が日本の礼儀なのです。
これは「ケガレ」を気にする風習があったからなので、汚れの伝播(汚染)の感染対策にもなっていたのです。
ところが、一部の人達は、レシートブロックを失礼だと考えているようです。
接触を避けられている(汚がられている)気がするからでしょう。

逆に強迫性障害の人であると、軽く触られることでも強迫症状が強まりますので、レシートブロックは歓迎なのです。
レジの人はお金を多く触りますから、おそらく普通の人でも接触は避けたいという人はいるし、レジの人のほうも他人(見ず知らずのお客さん)の手を触りたくないという人もいます。
ですから、レシートブロックは、本来はお互いにとって安心できるマナーのある衛生的な行為なのです。
これを批判するべきではありません。

業種限らず、レジにいる男性店員に多いのが、鼻や顔を触ったり、髪の毛をクシャクシャする行為です。
女性はほとんどやりませんが、男性の場合、それがお客さんにとって不潔だとは考えていない人が多いようです。
そしてレシートブロックをするのは、ほとんどが女性の店員さんで、男性店員は相手に接触することを失礼だとは考えない人が多く、アパレルショップなどでも、お客さんの服などを気軽に触ってきます。
もちろん男性店員にも清潔な人はいますが、最近は新型コロナの問題もありますので、不潔で失礼な行為をしていないかを考えて欲しいところです。

強迫性障害で、汚染や不潔で強迫症状が強まる人が行き難い場所は、基本的には社会にある大体の場所がそうなのですが、利用が困難なのは、人の多い建物、病院、役所、飲食店、床屋、美容室、情報汚染の人は、人の会話、テレビ、新聞、雑誌、貼り紙、広告や看板、建物や場所自体からも汚染されるので、行けない場所が多く、本屋、コンビニ、電車、バスなどの利用もできません。

その一部は、最近は感染恐怖で一般の人も行き難い場所とか利用困難になっています。
病院、クリニックでもマスクや消毒用品が不足しているようですので、しっかりとした感染対策ができているかの不安はあるでしょう。
院内感染の恐れで、患者さんも減っているそうですが、精神科などの定期通院の人はどうすれば良いか?
院内感染対策で、定期通院の人は、処方期間を長くして、受診間隔を空けるようにとの連絡が国から出されています。
病院側から提案されないと言い難いかもしれませんが、病状が安定している人で病院に行き難い人は、自分から言ってそうしてもらうようにしてください。
みんながそうすると病院の経営にも響きますから、あんまり長い期間にしないほうが良心的ですが。

前々から書いていますが、認知行動療法(曝露反応妨害)も元々からいろんな意味で実際に不潔で危険ですので、止めたほうが身のためです。
不潔で失礼どころか、ストレス耐性の低い患者に対しては暴力そのものです。
いかに危険で勘違いな療法かを今まで書いてきたのですが、そもそも強迫症状の苦痛を理解していませんから、強迫症を治せるわけがないのです。

公共の場のドアノブや機械のボタン類、電車のつり革などのみんなが触る物とか、共用する物には、みんなの体液などの汚れが必ず付きます。
認知行動療法ではその程度の汚れは安全だとしていますが、強迫症の人は、その汚れが付くと強迫症状が強まり、汚れが離れなくなります。
強迫=恐怖していることやその思いなどにとらわれてしまう状態ですから、それは恐怖の付着であり恐怖感染であり、思考と行動の自由の束縛状態です。

恐怖や嫌悪しているだけの苦痛ではなく、そういったことが強迫観念になって、離れなくなってしまう=「恐怖に感染する状態」=「恐怖による束縛状態」が苦痛なのです。
その汚れが離れなくなれば、その汚れでの汚染伝播も不安になり、その不安も離れませんから、何も触れなくなったり、他のことができなくなります。
もしその汚れを気にしないことができるなら、強迫観念の汚れではありません。
強迫観念の汚れは付着性=強迫性が強いので、見えなくても表象幻覚で汚れのイメージや汚れの考えが物質的な汚れのようになって付着するので、どうしても分かってしまうため気になってしまうものなのです。
確認強迫などの場合も、不安や恐怖が強迫観念として付着して、それを離そうと確認するのです。

コロナの場合、除菌、殺菌、消毒すれば良いのですが、体液などの汚れは、洗浄しないと落とせません。
硬貨の素材に殺菌効果があっても、洗浄力はありません。
ですから、強迫症であれば、汚れれば洗浄しないといけなくなりますが、強迫性=強力な付着ですから、洗浄してもなかなか汚れは落とせなくて、苦痛(恐怖感染状態)も続きます。
汚れだけでなく、その汚れで「病気になってしまうかも」などの思いが強迫観念になれば、その思いも付着したままになり、離れなくて恐怖が続きます。
ですから、汚れた物を捨てないといけなくなったり、捨てられない物は、パックして密封するなどしないといけなくなります。
そういう苦痛の再体験を避けるために、汚れへの不安も強まり、汚染対策などが異常になります。
強迫症であると、このような害が実際にあるのに、汚れなんかは問題ないと言えるでしょうか?

きれい好きのように、強迫行為ができないことで不安が生じるのではなく、強迫行為をするしないに関係なく、それ以前に不安が生じるから、強迫行為をするので、強迫行為を止めたところで、不安は残ったままなのです。

認知行動療法の説明に出てくるような、放置できるような苦痛の弱い不安とか、放置していれば自然と消えてしまう不安や恐怖は、強迫性が弱く、本当は強迫観念というほどの思考ではありません。
強迫観念であれば、苦痛で放置できなかったり、放置しても強迫性(付着性)によってなかなか消えないのです。
それは妄想のような非現実ではなく、現実と結び付いていますから、その現実を変えようと強迫行為をするのですが、強迫観念の刺激が強過ぎてなかなか消えませんから、それを解消する行為も異常に過剰になります。

一番の勘違いは、強迫観念は、ほとんどありもしないことへの心配だから、強迫観念があっても実際には害は無いという考え方です。
これは強迫症状による苦痛を無視した考えです。
強迫性障害は、不快なことや不快な思考に強迫されそれが離れない状態、それを離そうと強迫行為をしないといけない苦痛、その症状自体が実害なのです。

強迫観念にもいろいろあって、先のことへの不安だけでなく、今現在のストレス対象の曝露による恐怖や嫌悪とか、過去に起こったこと(トラウマ記憶など)による恐怖や嫌悪も強迫観念になり、それにより先のことへの不安も余計に強まります。

感受性が強いことで、不快なことであれば、なんでもその刺激が長く強く残って離れなくなってしまいます。
それが恐怖であれば、その恐怖に簡単に感染してしまうのです。
元々から恐怖感染症なので、感染への恐怖(感染恐怖)が起こりやすく、恐怖に感染すれば、恐怖感染のダメージも強まってしまうのです。
過敏であるほど、不快な思いの強迫性も強くなり、強迫性が強いほど、その刺激の付着力も強まり、なかなか消えなくなってしまうので、苦痛が長く残ります。

恐怖感染に恐怖して不安が強まり、その不安にも感染して、不安が離れなくなります。
そういう強迫観念が浮かびやすい、それが残りやすいというのは、不快な記憶が感情も含めて消えないということなのですが、そうなりやすいのは、神経過敏、感受性が強い、ストレス耐性が低いといったことが根本的な原因です。
昔は神経質な性格の問題とされたり、今でも考え方の癖が悪いということになっていて、実際そういう人も一部いるのでしょうが、近年の研究では、脳の神経回路の障害でそうなっていることが分かってきています。
ほぼ器質的な問題なので、心理療法が効き難いのですが、ビジネスとして普及させるために認知行動療法が及ばない範囲の研究は、ほとんど無視されることになります。
実際には治せない上に不衛生で暴力的な療法で、ストレス耐性が低いと悪化する危険さえあるのに、認知行動療法で治せるとか適切な療法となっていることで、それならばと治せる薬もないままになり、長年放置されているのです。

普通の人に起こる新型コロナへの恐怖程度でも治し難いのですから、過敏な人がその恐怖に強迫される強迫状態と言うのは、もっと治せないのです。

新型コロナの感染恐怖で汚い物に触れるのが怖くなったり、病院などに行くことも怖くなった人もいると思いますが、それ以前から、強迫症の人は、汚染や感染恐怖などで汚い物に触れられなかったり、病院などに行くことも強い恐怖があるのです。
強迫性障害の場合、恐怖自体に感染して強迫症状が出てしまうのです。
恐怖が起こる情報などで恐怖に感染すれば、その情報の付着が離れなくなって、恐怖汚染されてしまうので、人によっては、待合室のテレビや新聞などでも汚染されてしまうし、病院のような院内感染しやすい場所は恐怖が起こりやすく、その恐怖に強迫されて、強迫観念が強まり離れなくなりますから、大変行き辛いのです。

ですから、本当は強迫性障害患者専用の刺激の少ない待合室(スペース)があったり、テレビや新聞などの恐怖情報を見せ付けずに済むような配慮があると、病院にも行きやすくなります。


#強迫性障害 #発達障害 #感覚過敏 #神経過敏 #トラウマ #PTSD #複雑性PTSD #汚染恐怖 #不潔恐怖 #HSP #HSC #OCD #強迫観念 #強迫症 #ADHD #うつ病 #恐怖強迫 #感染恐怖 #身体醜形障害 #潔癖症 #醜形恐怖症 #HSCHSP #敏感気質 #異物恐怖 #パキシル #院内感染対策 #ジェイゾロフト #パロキセチン #自閉スペクトラム症 #強迫性障害症状 #強迫性障害原因 #HSPHSC #強迫性障害とは