強迫性障害の全貌

強迫性障害の知識の普及 Link Free

身体醜形障害/醜形恐怖症と強迫症は関連するのか?

自身の顔や体の欠点(醜形、異形)を過剰に気にしてしまう。そういう人は割りと多いし、容姿を気にする、きれいになりたいというのは正常ですが、あまり度を越えるといろいろと問題が出るし、日常生活や人間関係などに支障のある程度になれば、精神障害とも言えます。

恐怖というよりは、嫌悪や不安になりますが、気になって整形を繰り返すとか、過剰に厚化粧するとか言われます。
そのことが日常や社会で障害にならずに、本人の自由意志でそうしたくてやっていることでしたら、何にも問題ありません。

マイケル・ジャクソンがどうこう言う人がいますが、本当にその診断を受けて、そのことが彼の障害になっていたのでしょうか?
確かに整形で顔が余計に崩れることもありますが、世の中には、特に芸能方面の人には、顔を整形して、自信が持てるようになったとか、売れるようになったという人も多くいます。
単に美意識、プロ意識が強く、障害ではなく、自分の意志で選択しているのかもしれませんので、過去の有名人について、根拠もなく精神障害扱いするのは良いことではありません。

醜形恐怖症は、その欠点が他人にはそんなに醜く見えない、という条件があります。
実際に醜い場合は、気にして当然なので、病気ではないということでしょうが、実際に醜いかどうかというのは、完全に外見だけでの判断ですから、精神障害の基準としてしてはいけないことです。
他人から見ても醜い顔の人は、醜形恐怖症の症状が出ないということはありません。
実際に、他人から見ても醜い顔の人でも、醜形恐怖症にはなります。
確かに誰が見ても明らかにきれいな顔の人が、醜形恐怖症になっていたら、妄想状態に近いわけですが、そういうことはほとんどありません。

醜形恐怖症の問題点は、人前に出るのが恥ずかしく、積極性がなくなったり、人間関係が減ることです。
ですので、売れている芸能人で重度の醜形恐怖症の人はいませんが、何らかの方法で克服したり昇華した人は多いかもしれません。
一般の人ですと、治そうにも整形するお金のない人も多いし、男性の場合は、厚化粧をすると逆に人目を引くので、それが難しく、引き篭もりの原因にもなり得ます。

恐怖症でしたら、恐怖対象を回避すれば安心できるし、安心できる状況になれば、恐怖対象の想起が続くこともない(強迫観念にならない)ので、恐怖症は、強迫性障害とは違うことを前回書きました。

醜形恐怖症は、自身の見た目が恐怖対象なので、恐怖対象の回避が困難で、それについて思い悩むことも多くなります。
その点から、強迫性障害に近い症状に思われがちですが、その思い悩みは強迫性障害的な強迫観念ではなく、恐怖症の恐怖観念になります。
自身の身体が恐怖対象だから、それから逃げ難い、繰り返されるだけで、そのことは、強迫観念の強迫性や反復性とは少し違うのです。
通常の醜形恐怖症では、強迫性障害のように強迫観念が浮かびやすい脳になっているわけでもありません。
自身の身体の欠点以外には、特に悩み事が浮かびやすいということがなければ、強迫性障害ではありませんし、強迫関連の症状でもありません。

強迫性障害としての醜形恐怖がある場合は、不潔恐怖、汚染恐怖として、醜いこと全般に恐怖や不安を持ちやすくなり、汚れの感覚があれば、同時に、付着性、伝染性を感じます。
グロテスクな形を汚い、ふきつ、ケガレ、不幸などと思い、それが伝染するように感じて、洗浄強迫を行います。

強迫性障害だと、元々から違和感に弱い面はありますので、外見での劣等感も持ちやすく、通常の醜形恐怖症を併存することは多くあると思います。
ただ、強迫性障害の診断で事足りますから、醜形恐怖症の診断も受けている人は希なはずです。

逆に、通常の醜形恐怖症の人が、強迫性障害も併存しやすいかというと、それはありません。
醜形恐怖症の人は、その範囲の症状を超えることは無いので、軽いレベルであれば、一般の人にも多くいます。
そして、一般の人は重症になり難いので、治療を受けることはほとんどありません。

強迫性障害だと醜形恐怖症も重症化しやすいのですが、醜形恐怖症単独で治療を受けるというよりは、醜形恐怖込みで強迫性障害として治療を受けることがほとんどです。

そういう意味では、強迫関連と言えますが、軽いレベルでしたら、強迫症と関係の無い醜形恐怖症の人も多いのです。


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