強迫性障害の全貌

強迫性障害の知識の普及 Link Free

強迫性障害は特殊な精神障害/重症であるほど入院が向かない

精神病や普通の精神障害なら、重症だと入院したほうが治しやすいのですが、強迫性障害は重症なほど、入院が向きません。

汚染恐怖などで病院に近付くことさえ困難な人もいますから、病院内のストレスで気が休まりませんし、悪化してしまうのです。
そもそも入院しても幻覚妄想と違い治せませんし、興奮して社会の中で他人に迷惑をかけるわけでもない、自殺願望(頭の中の強迫行為)が強くても危険回避の強迫観念で自殺の可能性は低い、寝たきりでもないならば、無理に入院する意味もないのです。

現在の精神障害全般の重症度というのは、本人が症状でどれだけ苦しんでいるかは関係ありません。
一人でどれだけのことができないか、または、社会的にどれだけ危険かで、治療、看病、看護などを受けることが前提になっていますが、強迫症は、軽い病気なので入院する人が少ないのではなく、重い病気なので、通院や入院さえ困難なのです。

強迫性障害の特殊な病状を、他の精神障害や精神病と同じ物差しで測ることはできません。
精神病の人はやろうともしない難しいことを、強迫性障害の人は、我慢してやっているのです。

強迫性障害の人は、内面(思考面)が幻覚妄想の精神病並みに病んでいても、(精神病であればしないことを)無理をしてしてしまいます。
汚染伝染などの強迫観念が強いと、誰とも同居できなくなり、付き添いが得られなかったり、接触拒絶で、適切な治療や看病が受けられなくなります。
病院に入れないとか、看病、看護を遠慮してしまう人は、最低限のことは無理にでも自分でしないといけなくなり、できないことはできないままになります。

汚染恐怖がある人にとっては、外でクリーニングされた物は逆に汚染物に思えますので、病院のベッドのシーツさえも汚物に見えて、接触できません。
汚染恐怖の人は大抵うつにもなりますが、うつ病にも強迫行為は止められませんので、強迫症状があるとそうするしかないのです。
もし、強迫性障害うつ病の人が、強迫性障害だけが治って、うつ病だけ残れば、やっと病院のベッドにも平気で寝ていれらます。
汚染恐怖がなくなれば、看病してもらうことも抵抗なくストレスになりませんし、人との同居もできるようになり、付き添いのヘルプも得られますから、強迫性障害うつ病でいるよりもよっぽど楽になります。

実際には、強迫性障害うつ病で、強迫性障害だけが治るということはありませんので、強迫性障害である限り、うつ病で寝たきりの人よりも苦しみが多いのです。
強迫性障害が治った状態が、精神障害全般の中では、強迫性障害うつ病よりも重症というおかしなことになっています。

神経症への古い考え(誤解)によって、強迫性障害の特殊性が理解されていないのです。
「症状で適切な援助が受けられない」これが重い症状でないわけがなく、この病態が理解されないことで、強迫性障害の人の人生はストレスでボロボロになっているのです。

強迫性障害は重症であれば、他の神経症とも精神病とも違う特異病態になります。

強迫性障害はストレスに強いわけではないが、ストレスを受け入れるしかなくため込んでいる状態です。
精神病はストレスに弱いわけではないが、過剰にストレスを回避する状態です。

同じぐらい精神が病んでいれば、本当は強迫性障害の人のほうが、ストレス回避をしないといけないのですが、精神病ではないので、無理をしてストレスの強いことをしないといけなくなります。
我慢をすればできると思えるので、我慢してするべきだと錯覚するのです。

精神病であると、本来ならストレスなくできることでも、我慢ができなくなってほとんどしなくなりますが、強迫性障害だと、本来はストレスが強くしないほうが良いことを、我慢して無理にするしかなくなってしまうので、どんどんストレスが重なって、心(思考)が病みます。

この現実と繋がっている思考の病みが強迫観念になります。
強迫観念が「かもしれない」という未来的な不安であればまだ良いのですが、多くの場合は、「そうである」と(見えてしまう)表象幻覚や(思えてしまう、考えてしまう)妄想的思考であるからこそ、強迫行為が止まらないのです。
これにはほとんど薬が効きませんし、治す方法がありません。

一方で精神病は本当は思考の病みがなくても、妄想によるストレス拒絶が起こることで、幻覚妄想が嫌な内容になってしまいます。
精神病は拒絶するストレス自体も妄想=非現実なのですが、想像上のストレスであることが分からなくなってしまうので拒絶が起こるのです。
非現実である幻覚妄想には薬が効きストレスもなくなります。

精神病は非現実への過集中で、現実逃避(現実の拒絶)が起こりますので、現実と繋がっている思考の病み=強迫観念はほとんどありません。

精神病の幻覚妄想は非現実ですから、実在しない架空の思考世界に惑わされる状態で、現実との結び付きがなく患者本人による精神症状です。
この幻覚妄想で強迫行為が起こることはあり得ません。非現実の幻覚妄想であると現実的な強迫行為をしてもまったく解消しないのでしようとしません。
解消するとすれば、そう思える幻覚妄想である時ですから、それは強迫性障害ではありません。

統合失調症でも軽症の人は、妄想が妄想(非現実)だと分かっている状態の人がいます。
非現実的内容の妄想が浮かんで、それは現実ではないと本人も分かりますが、どうしてもその妄想が浮かんでしまうのです。
これは幻聴が現実の音声では無いと分かっているが、どうしても聞こえてしまうことと同じで、架空の世界を非現実だと分かるようにはなったが、架空の世界自体は続いている状態です。
その場合でも妄想であれば現実との結びつきはありませんので、強迫観念としての妄想的思考とは別の病状なのです。
ただ、軽症であると現実のこともある程度分かりますから、それとは別で強迫観念が浮かんで、軽い強迫症状が見られることはよくあります。
そういうタイプの人は、統合失調症を発症する前にノイローゼ状態があって、そのストレスで発症したことも考えられますから、幻覚妄想も病的内容になりやすいのです。

強迫観念は一般的ではないが、現実との結び付きがある思考なので、本人だけの問題ではなく、実際に身の周りの現実にも問題があるのです。
頭の中の強迫観念が現実と繋がっているので、頭の中だけでは解消できませんから、現実の問題を緩和するために強迫行為をしないといけなくなります。

現実との結び付きがあるかないかで、強迫観念なのか妄想なのかが区別できますが、妄想状態の人は現実のことがよく分からないので、その区別は自分ではできません。

多くの場合、統合失調症であると、精神病症状に迷惑する家族などが、病院に連れて行きます。
精神病症状は薬で鎮静できるので、本人が求めなくても、そうしたほうが結果的に良いのです。

強迫症で入院することがあるとすれば、家族が巻き込まれて困っている場合ですが、一時的に離れるだけでは意味がありません。
それなら一人暮らしをさせたほうが良いのですが、女の人などは社会的に孤立することのが怖さ強かったり、寂しがって難しい面もあり、家族に保護されている場合も多いかもしれません。

しかし、強迫性障害で困るのは、重度の場合、大抵は汚染恐怖がありますので、接触拒絶症状で、人との同居や、適切な治療や看護が受けられないことです。
症状で付き添いが得られずに一人で無理をしてしまう。この傾向は上記の理由から、一人暮らしの男性に多いことが考えられますが、これが大変なのです。

強迫性障害は、内面が病んでいても、表向きは、理性的に見えて、社会的にも危険性が無い(見えない)病気ですが、精神障害全般でいう重症は、内面がどれだけ病んで苦しんでいるかではなく、表向きにどうかです。精神障害なのに、見た目の判断なのです。
当然、精神病は重く見えるし、寝たきりの人とか、ぼーっと何もしない人とか、興奮して暴れて人に迷惑をかけているぐらいのほうが重症ということになります。

精神障害の苦痛は本人にしか分かりませんが、体と同じで、その苦痛が障害になっているのですから、本当は、精神障害の重症度に、本人が症状でどれだけ苦しんでいるかも含めて考慮しないといけないのです。
そして、適切な援助が困難(症状で適切な援助が受けられない)という状態も重症基準に含めるべきですなのです。

 

 

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