恐怖症と強迫症の違いを前回書きましたが、強迫性障害は恐怖に強迫される病気なので、当然、恐怖症との共通点もあります。どちらも恐怖対象が怖いから苦痛なのですが、強迫性障害の人だと神経過敏症状で、その恐怖が長々と残って、苦痛が離れずに「強迫され…
強迫性障害だと、不安や恐怖、嫌悪などに強迫されやすいのですが、それだけでなく、不快なこと全般に強迫される人もいます。こういう人は、洗浄だけとか、確認だけとかでは済まずに、いろんな強迫行為をしないといけなくなります。 そういう人は不幸感でも強…
ストレスを感じやすく、それに強迫される状態は、ストレス感染であり、いろんな刺激に感染されやすい病気なのです。そのストレスに対して強迫観念が浮かびますが、強迫観念への感染恐怖というよりも、強迫症の人は強迫観念が実際に感染しているのです。 最近…
やりたいことが止められないのは、依存症で、やりたくもないことが止められないのが、強迫症です。依存症はやりたいことへの欲求的思考にとらわれますが、強迫症は、考えたくも思いたくもない思考がなかなか離れなくなります。 これは本能が関係しています。…
前回書いた、違和感を気にしての運動性タイプも、「こうでないといけない」みたいなこだわりが強いことで、そうでない状態が違和感になってしまう人と、実際に違和感に弱いから、どうしても気になって、その苦痛をなくそうと、なんらかの行為にこだわってし…
このブログでは、強迫性障害のタイプとして、強迫観念主体型と強迫行為主体型に分けていますが、WHOのタイプ分けとは内容が違うし、他の一部のサイトの説明にあるような認知タイプと運動性タイプなどもありますから、今回はそれらをまとめて整理したいと思い…
統合失調症の発症前や治療中に、強迫症状が見られることから、昔から、強迫性障害が統合失調症を防ぐという考えがありますが、実際には、統合失調症が強迫性障害を防ぐ形になっています。 統合失調症は昔はストレスに関係なく発症すると言われていましたが、…
まず理解しないといけないことは、強迫症の人は、間違った反応で、間違った思考を持って、間違った行動をしているわけではないということです。実際にストレスに過敏で感受性が強いので、どうしても拒絶反応的に強迫観念が浮かび、危害、危険から自分を守ろ…
強迫症の人は一般人口の1%~2%と書かれることが多いのですが、病院に行っていなくても自己診断で強迫症の人も多いので、正しくは分かり難いことです。軽いから病院に行っていない人もいれば、恥ずかしくて行けない人とか、重症すぎて病院に近付くことさ…
強迫症の場合、治し難いからこそ、まずは、治療可能な状態に向かうための治療を受けることになります。いきなり治すというよりも、その前に、ストレスの少ない生活ができるように環境調整をして、悪化を防ぎ、少しでも人間らしい生活ができるようにすること…
本当の強迫症患者を強迫性障害から除外するのではなく、強迫性障害の適切な治療方法の中から、認知行動療法を除外するべきです。 ストレスに強要的に慣れさせようとする認知行動療法は、ストレスに極端に弱い病気である強迫性障害には、まったく向いていませ…
強迫性障害は、現実のことであれ、思考上のことであれ、強迫的な事に弱い病気です。過敏でストレス耐性が低いと、そういう刺激に抵抗することさえもストレスになってしまうので、そのままストレスに曝露されて、強迫症状が起こります。 いろんな病院などのホ…
強迫症の人は、頭の中の情報の整理整頓、不快な記憶の掃除などができないので、強迫観念やネガティヴ思考、トラウマ記憶に慢性的に悩まされます。頭の中がなかなか落ち着かずにリラックスできませんし、身の周りの刺激にも敏感なことで、集中力がなくなって…
強迫性障害は程度も症状も多種多様ですが、大雑把に分けると、強迫行為主体型と強迫観念主体型に分類できます。 WHOの言う強迫観念主体型は、頭の中だけで強迫行為をするタイプで、強迫行為主体型は、現実行動の強迫行為をするタイプで、その両方あるのを混…
強迫性障害の特効薬とかは、今後も発売されません。強迫観念を抑えると言うことは、不安や恐怖、嫌悪なども弱まり、ハッピーな気分になり、パフォーマンスも向上します。そういう薬は、今でもあることはあるのですが、いろんな人が求めて、乱用される危険が…
「強迫行為は現実の問題を解消する行為ではない」という考えは、強迫症の人のストレスを理解できていないことによる誤解です。 その元には、「強迫観念は想像上の害」という考えがあるのですが、これも少し誤解というかピントのずれた考えなのです。強迫観念…
強迫観念が浮かびやすいのは、根本的には刺激に敏感でストレスに弱いことが原因となっています。 前回書きましたが、通常、刺激や情報は、感覚器官→神経→脳→心と伝わりますが、過敏であると、感覚器官→神経→脳→心のルートの全てに刺激や情報が伝わったままし…
-------厚労省に意見したい場合、文字数制限がありますので、コピーする人はここから下をコピーしてください-------- 精神障害者保健福祉手帳用の診断書様式に不適切な部分があります。 手帳用診断書の生活能力の状態の判定項目として、身辺の清潔保持身辺の…
AD/HDの人が強迫症になりやすいのは、注意力がないこととか焦りやすいことで、ミスをしたり、実害を受けやすいからです。ADHDであると、なかなかリラックスすることもできずに、気が休まらず、不安が増えていき、身の周りのいろんなことが強迫的に感じられる…
強迫観念(表象幻覚、妄想的思考)は「現実の何か」による不安や嫌悪、恐怖などをともなう思考です。自分の意に関わらず浮かんでしまう嫌な考えイメージ、記憶などですが、気分とか感情とか衝動や感覚などにも強迫されます。自分の意に関わらず浮かんでしまう…
強迫観念の汚れは、大抵の場合、本人も見えませんから、実際の汚れを確認(認識)することができません。確認できないからこそ強迫観念が浮かび、その考えとかイメージによって確認することになります。確認することで、強迫行為も終えるし、安心もできるので…
以前に、強いストレスがあっても、解離とか統合失調をしない人は、強迫症状が出ることを書きました。 複雑性PTSDでは解離(トラウマの記憶が思い出せない症状)が起こると言われていますが、解離しない場合は、トラウマが強迫観念になって、強迫症状が強まりま…
神経質と神経過敏は違うことで、神経質というのは実際には神経過敏ではないが、神経過敏の症状が出ている状態です。 このブログに書いている強迫行為主体型が神経質ということになります。「こうしないといけない」「こうであるべき」という気持ちが強いこと…
強迫性障害の人の知能は正常なので、自分のこと、現実のことが分かり、自分の症状がどうであるかも分かります。何らかのストレスの強いことがあれば、苦痛を感じブレーキがかかりますが、ストレス耐性が低いと、苦痛が強くても社会の中ではブレーキをかけさ…
よく強迫性障害の説明に「分かってはいるが」と書かれていますが、そう書いている人が「何を」分かっているのかがよく分かっていない場合が多くあります。 これは現実が分かっているという意味なのです。ただ、感受性が強いことで、現実のストレスとかそれと…
強迫症状は強迫性障害だけでなくいろんな病気で起こり得るし、同じように見える強迫症状でも強迫行為主体型か強迫観念主体型かで、内容は違っています。 一般的な説明に出てくる強迫性障害は、強迫観念は非現実的であるから、強迫行為は現実問題の解消にはな…
強迫性障害の人の場合、強迫的な思考やイメージが浮かぶと、頭でどう考えようと、体がそれに現実的に反応してしまうのです。 条件反射というのは、頭でどう考えるかに関係なく起こります。食べ物であるレモンに対する条件反射は、(食べたことがあれば)実際に…
強迫性障害に、強迫観念主体型、強迫行為主体型、混合型というタイプがあることは、WHOがICD-10で提示した考えですが、このブログのタイプ分けとは少し違います。 WHOの考える強迫行為主体型は、現実行動のみの強迫行為が主体で(頭の中での強迫行為が少ない…
精神障害者保健福祉手帳用の診断書様式に不適切な部分がありますが、問題とされないのは、強迫性障害が正しく理解されていないからです。 少し修正しました。2020.9.25 -------厚労省に意見したい場合、文字数制限がありますので、コピーする人はここから下…
強迫性障害は強迫観念(思考)にだけ強迫される病気ではありません。不快な感覚、気分、感情、衝動、記憶、不適切な願望といった範囲までいろいろあるのですが、それらは現実と結び付いていることが条件であり、幻覚や妄想といった非現実は除外します。 強迫観…